首相「成長経済へ正念場」 半導体で大胆投資を支援

共同通信加盟社編集局長会議で講演する岸田首相=28日午後、東京・東新橋

 岸田文雄首相は28日、東京都内で開かれた共同通信加盟社編集局長会議で講演した。持続的な賃上げと意欲的な投資が繰り返される成長経済に向け「今まさに正念場を迎えている」との認識を表明。政府が重視する半導体分野などへの大胆な投資を後押しする考えを示した。来年は1月の台湾総統選や11月に米大統領選が控えているとして「緊迫の1年になる。万全の態勢で臨んでいきたい」と強調した。

 経済対策を巡り、賃上げ促進税制と成長力強化、所得税と住民税の減税に触れ「あらゆる政策を動員し、官民協力の下で来年に向けて賃上げし、物価高を乗り越える」と訴えた。

 半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の熊本県への進出で、九州全体に投資効果が波及しつつあると指摘。重点分野への投資に関し「従来の発想の支援ではなく、事業が継続しているさなかでも引き続き支援を続けていく」と述べた。

 資源を再利用し有効活用するサーキュラーエコノミー(循環経済)に関し「日本が世界にアピールできる経済モデルになり得る」と主張した。

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