「学校対応に不備あった」 茨城県と同級生1人が計150万円支払い、女性と和解へ いじめ自殺未遂訴訟

茨城県庁=水戸市笠原町

茨城県内の県立高校に在学中、同級生からいじめを受けて自殺を図り重傷を負った県内の女性(21)が県と同級生2人を相手に計約860万円の損害賠償を求めた訴訟で、県は28日、同級生と共に計150万円を支払って和解する方針を発表した。

県は12月開会の県議会第4回定例会に議案を提出、議決を得た上で、同月中に和解が成立する見通し。県は140万円、同級生1人は10万円を支払う。

訴状によると、女性は2年生だった2018年10月、校舎2階から飛び降り腰椎破裂骨折などの重傷を負った。同級生からの陰口などで多大な精神的苦痛を受け、自殺未遂に追いやられたと主張。いじめの事実を教員に相談したのに、学校側は適切な措置を怠ったとしている。

自殺未遂を受け県教委は、同年12月に第三者委員会を設置。19年4月の報告書で「いじめがあった」と認定した。

県教委高校教育課は「学校は当時可能であった一定の対応を行ったが、(対応に)不備があった」とし、和解案を受け入れる理由を示した。女性の父親は「何かが起こってからでは遅い。学校現場で、もっと寄り添い、早めの対応をしてほしかった」と話した。

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