黒部峡谷、冬支度 ダム関係者の食料届け

越冬物資を貨車に積み込む作業員=28日午前6時、黒部市の黒部峡谷鉄道宇奈月駅

 黒部川上流のダム関係者用越冬物資の運搬が黒部市の黒部峡谷鉄道宇奈月駅で始まり、28日は作業員がコメや野菜など約4トン分を貨車に積み、約26キロ先の仙人谷ダムに近い宿泊所に届けた。厳冬期に黒部宇奈月キャニオンルート一般開放に向けた安全対策工事や、ダム管理に当たる従業員らの冬支度を整える。

 関西電力北陸支社によると、上流の宿泊施設は9カ所あり、宇奈月駅からは保存可能な食品や日用品を12月9日までに9回計16.7トン運ぶ。トロッコ電車は同1日から冬季運休に入り、工事列車も同9日で欅平(けやきだいら)までの運転を終了する。

 運休中、生鮮食料品や新聞などは「逓送(ていそう)さん」と呼ばれる運搬業者が歩いて運ぶ。運行を再開する来年4月まで、関係者延べ1万2300人が交代で泊まり込む。

 28日の富山県内は、冬型の気圧配置となり、おおむね雨だった。最高気温は富山市中心部15.7度、高岡市伏木13.9度など、全10観測地点で11月上~下旬並みだった。

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