G7、化学テロ想定し訓練 茨城・水戸市消防局 救出や除染、連携確認

防護服を着用し、競技場内のスタンドに倒れていた被災者役を搬送する救助隊=水戸市小吹町

水戸市消防局は28日、同市小吹町のケーズデンキスタジアム水戸で、化学テロを想定した対応訓練を実施し、来月8日から市内で開かれるG7水戸内務・安全担当相会合に備えた。同局員ら約100人は指揮隊や救助隊などに分かれ、被災者の救出や除染作業を行い、連携を確かめた。

訓練は、大規模なスポーツイベントを開催中、場内に化学剤がまかれ、多数の被災者が出たという想定で進められた。発生案件の全容を参加者に事前に知らせないブラインド方式で行われた。

通報で駆け付けた隊員はまず、自力で場外に避難した被災者役に対し、場内の状況について聞き取りを行った。次いで、場外ゲート前に規制線を張り、被害の拡大を防ぐ「ゾーニング」を行った上で、被災者役にその場にとどまるよう指示した。ドローンを使った現場確認も行った。

通報の約30分後、防護服に身を固めた救助隊が、場内に残された被災者役約30人を救出した。被災者役は除染のため、規制線外に設置されたテントで服を着替え、汚染のひどい場合はシャワーで洗浄した。治療の優先順位を判断する「トリアージ」も行った。

大信成人消防次長は「緊張感を持って取り組んだ。内容を検証し、万全の体制を整えてG7の警戒に臨みたい」と強調した。

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