チャンピオンズリーグ(CL)グループH第5節、バルセロナvsポルトが28日にエスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニスで行われ、ホームのバルセロナが2-1で勝利した。
前節、シャフタールに競り負け今シーズンのCL初黒星を喫し2節を残しての決勝トーナメント進出を逃した首位のバルセロナ(勝ち点9)。以降のリーグ戦ではアラベスに辛勝も、直近のラージョ戦を辛くも1-1のドローに終わるなどパフォーマンス低下が顕著ななかで突破を懸けた難敵ポルト(勝ち点9)との大一番に臨んだ。
チャビ監督は首位攻防のホームゲームに向けてラージョ戦から先発5人を変更。クリステンセンとバルデに代えてクンデ、アラウホを、ロメウに代えてギュンドアン、ヤマルとフェラン・トーレスの両翼をハフィーニャ、フェリックスに入れ替えた。
左サイドバックのカンセロに高い位置を取らせる可変式の布陣で臨んだバルセロナ。立ち上がりはポルトにカウンターからフィニッシュまで持ち込まれるが、8分にはハフィーニャの強烈なミドルシュートで最初の枠内シュートを記録する。
以降はピッチの幅を使った攻撃で相手を広げながらシンプルなサイドアタックに加え、内よりのフェリックスや中盤の選手の飛び出しを使いながらチャンスを窺う。
手数をかけて攻めるホームチーム、縦に速いカウンターで攻めるアウェイチームと互いに狙いを持った緊迫感のある攻防を繰り広げるなか、前半半ばを過ぎて試合が大きく動く。
まずは30分、ポルトが自陣でボールを奪ったロングカウンターで左サイドから崩すと、ペナルティアーク付近でタレミが放ったミドルシュートのこぼれをボックス内のガレーノがシュート。これはGKペーニャの好守に遭うが、ゴール右でこぼれに反応したペペーが冷静に流し込んだ。
ホームで先制を許す厳しい入りとなったバルセロナだが、直後の32分にはペドリの冷静な左への展開から果敢に仕掛けたカンセロがそのままボックス左に切り込んで右足を一閃。鋭いグラウンダーシュートを右下隅に突き刺し、瞬く間に同点に追いついた。
元ベンフィカDFのゴラッソによって1-1のイーブンに戻したバルセロナは、勢いづいて逆転を狙う。右サイドで幾度も背後を取ったハフィーニャを起点にチャンスを作ると、40分過ぎにはGKジオゴ・コスタのビルドアップのミスからボックス内のペドリ、ハフィーニャが続けてシュートを狙うが、ここで仕留め切れない。
一方、このピンチを凌いだポルトは43分にビッグチャンス。波状攻撃からボックス中央でこぼれに反応したバレラがうまくタイミングを外して左足のコントロールシュートを枠の左隅へ飛ばすが、これはGKペーニャの見事なワンハンドセーブにはじき出された。
ボール支配率、シュート数でもほぼ互角の展開のまま試合は1-1で後半に折り返す。キックオフ直後にはフェリックスがペナルティアーク付近から強烈なミドルシュートを放つが、これは惜しくもクロスバーを叩く。
それでも、後半は良い形で押し込む時間帯が続くバルセロナは、再びポルトガル代表が突破口を開いた。57分、相手陣内左サイドでロングボールに競り勝ったカンセロが内側のフェリックスに預けてボックス左でリターンパスを受け直して正確なグラウンダークロスを供給。これをゴール前に走り込んだフェリックスが右足ダイレクトで右隅へ流し込んだ。
これで逆転に成功したチャビのチームは、よりゲームコントロールを意識した戦い方にシフト。前に出てきたポルトをいなしながら、カウンターを起点にトドメの3点目を狙っていく。その流れでレヴァンドフスキに幾度かチャンスが訪れるが、スムーズにフィニッシュまで持ち込めず。
その後は互いに交代カードを切っていくなか、全体的にパワーダウンが否めないポルトに対して、バルセロナは途中投入のフェラン・トーレスらが決定機に絡んでいく。だが、ボックス付近での再三のシュートは枠を捉え切れず、ハフィーニャの見事なオーバーヘッドシュートもGKのビッグセーブに阻まれる。
結局、最後までトドメの3点目を奪えなかったものの、ポルトの反撃をGKペーニャを中心に粘りの対応で凌ぎ切ったバルセロナが2-1で逆転勝利。苦しみながらも最終節を前に決勝トーナメント進出を決めた。一方、敗れたポルトは勝ち点9で並んだシャフタールとの最終節の直接対決で突破を目指すことになった。