【インタビュー】「想像していたより1.5倍凄かった」岩佐歩夢のF1初走行。ミスのないパフォーマンスで肉体も問題なし

 11月28日にアブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催されたF1のタイヤ&ヤングドライバーテスト。スクーデリア・アルファタウリでF1初走行を行った岩佐歩夢に、テストおよびF1初ドライブの感想を聞いた。

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──F1マシンを運転した率直な感想はいかがですか?

岩佐歩夢(以下、岩佐):経験したことがない世界でした。クルマの速さに関してはまったく未知な領域だったので、走り出しはすごく驚きました。想像していたより、1.5倍は凄かったです。

 また、肉体面では想像していたよりもコントロールの範囲内で、最後までプッシュすることができましたし、一日を通してチームの計画どおりに走らせることができました。

 もちろん、首にかかるGフォースはFIA F2よりも大きいので、今後はドライバーとしてトレーニングで改善しなければならないとは思います。ですが、肉体的に辛くてテストがこなせなかったということはなくて良かったです。

2023年F1アブダビテスト ヤス・マリーナ・サーキットを走行する岩佐歩夢(アルファタウリ)

──ランチタイム前(午前)まではどんなテストメニューをこなしましたか?

岩佐:ランチタイム前までは、チームが空力のデータ収集を行うということで、セッティングもタイヤも変えずに、ただひたすら安定して走らせていました。なので、午前中のタイムはまったく気にしていませんでした。

──ランチタイム明け(午後)はどうでしたか?

岩佐:午後はセットアップを調整しながら、最後にソフトのニュータイヤを使ってプッシュしました。ただ、1セット目を終えて、2セット目のタイヤで出て行ったときにマシントラブルで止まってしまいました。

2023年F1アブダビテスト ストップ後に回収される岩佐歩夢のマシン(アルファタウリ)

──自然に笑みがこぼれているのはなぜですか?

岩佐:うれしいというよりも、ホッとしたという感じです。まったくミスをしなかったので、もう少しプッシュしても良かったかなと思っています。

──エンジニアからは何か言われましたか?

岩佐:一日を通して、良い仕事をしてくれたということを言われました。また、パフォーマンス面でも最後は悪くないペースで走っていたので、いくつか改善すれば、すごく良いレベルにいけるんじゃないかということをパフォーマンスエンジニアから言われました。

──もしトラブルがなければ、もっとタイムを上げることはできたでしょうか?

岩佐:できたと思います。1セット目に履いたソフトのグリップ力にちょっと驚いたので、2セット目以降でもっと攻めたかったので、そこは残念です。コンマ4からコンマ5秒はいけたと思います。

──今後の生活拠点はどこになりますか?

岩佐:いまのところは、現在住んでいるイギリスのミルトンキーンズの家はそのままにして、日本と往復するという感じです。

2023年F1アブダビテスト エンジニアとグータッチを交わす岩佐歩夢(アルファタウリ)
2023年F1アブダビテスト F1初ドライブに笑顔をみせる岩佐歩夢(アルファタウリ)

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