伝統工芸士の村田さん 県に1メートルの黄ぶな寄贈 県誕生150年を記念

福田知事(右)に黄ぶなを披露した村田さん=28日午後、県庁

 曲げ物の県伝統工芸士村田茂(むらたしげる)さん(91)は28日、県庁を訪れ、曲げ物の技術を生かして作った黄ぶな1個を県に寄贈した。今年、本県誕生150年の節目を迎えたことなどから、特別に制作したという。

 黄ぶなは無病息災などを願う郷土玩具で、寄贈したのは幅約1メートル、高さ約45センチ。県産ヒノキをお湯に浸して曲げ、黄ぶなの骨組みを作ったほか、背びれなどには屋久杉で作った稚魚などをデザインした。

 福田知事は「こんなに大きい黄ぶなを見たのは初めて。県庁の厄よけになる」と感謝。村田さんは「ものづくり人生76年、最後の仕事になるかもしれないとの思いを込めて作った」と話した。

 寄贈された黄ぶなは今後、県庁15階にある県の伝統工芸品の展示コーナーに並べられる予定。

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