花木センター雑木林を美しく 鹿沼でボランティアが尽力 ハナモモとスイセン植栽

ボランティアによる整備が進む市花木センター西側の斜面。東方には宇都宮市街地が望める

 【鹿沼】市が道の駅登録を目指す茂呂の市花木センターで、新規利用者獲得に向けて進める西側斜面の整備が大詰めを迎えている。ボランティアが尽力し、雑木林だった斜面にハナモモとスイセンを植えた。年内には作業を終え、5年後にはそろって花を楽しめる見込みという。利用者が減少する中、春のルピナスに続く新たな目玉にしたい考えだ。

 同センターは園芸植物の安定した供給網を誇り、5月のさつき祭りには全国から多くの園芸愛好家が訪れる。4月末には敷地内東側の斜面に約3万本のルピナスが咲き、今年は約2週間で2万人が来場した。

 一方で近年は長期に及ぶ猛暑も影響し、イベント期間外の利用者はまばらに。そこで2021年に企業版ふるさと納税で得た計2千万円を活用し、ルピナスのゾーン拡張とともに、新たな誘客スポットとしてセンター西側の斜面を整備している。

 斜面は約1万平方メートル。雑木林として長年放置されていたが昨年末に伐採した。今年2月からハナモモの苗木4種507本、スイセンの球根20種10万株を植えている。

 中心となって作業を進めるのは同センターガーデニングボランティア。地元住民を中心に60人ほどが集まり、少しずつ整備した。

 11月13日は鹿沼南高の生徒も授業の一環で参加。斜面に穴を開け、スイセン「オランジェリー」の球根を植えていった。3年伴優貴(ばんゆうき)さん(18)は「おじいちゃんが好きな花木センター。早くきれいな花を咲かせてほしい」と話した。

 植栽作業は年内には終わり、スイセンは来春、ハナモモは早くて5年後には花を咲かせ競演を楽しめるという。斜面の頂上は北西に男体山、南東に筑波山、南西に富士山といった眺望にも恵まれる。同センターの茂呂久雄(もろひさお)常務理事(62)は「普段から開放しているので、気軽に眺めを見に来てほしい」と呼びかける。

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