昨年のルール5ドラフトを振り返る ライアン・ノダがWAR2.3を記録

今年のルール5ドラフトは現地時間12月6日、ウィンター・ミーティングの開催地であるテネシー州ナッシュビルで開催される。メジャー各チームにとって、たった10万ドルの移籍金でスター候補生を獲得するチャンスとなる。MLB公式サイトではプロスペクト(若手有望株)の情報を専門とするジョナサン・マヨ記者が昨年のルール5ドラフトの振り返りを実施。「メジャーリーグ・フェイズ」で指名された15人のうち3人が「ベースボール・リファレンス」算出のWARでプラスの数値を記録したことを紹介している。

昨年のルール5ドラフトで指名された15人のうち、今季最も活躍したのはライアン・ノダ(アスレチックス)だ。一塁のレギュラーとして128試合に出場し、惜しくも規定打席到達は逃したものの、打率.229、16本塁打、54打点、3盗塁、OPS.770を記録。低打率だが、77四球を選び、出塁率は.364をマークしている。マヨ記者は「ルール5ドラフトの新人王があるとすれば、彼が選ばれるだろう」とコメント。WARは2.3となっており、これは直近10年間のルール5ドラフトで指名された選手では、アンソニー・サンタンデール(オリオールズ)の3.0に次ぐ今季メジャー2位の数字だった。

ノダ以外にプラスのWARを記録したのはケビン・ケリー(レイズ)とブレイク・セイボル(ジャイアンツ)の2人だ。ケリーはリーグ3位の防御率3.86をマークしたレイズ投手陣のなかで2番目に多い57試合に登板し、5勝2敗1セーブ、12ホールド、防御率3.09を記録。WARは0.7だった。一方のセイボルは捕手と左翼を兼任する珍しいタイプのユーティリティ・プレーヤーとして110試合に出場し、打率.235、13本塁打、44打点、4盗塁、OPS.695を記録。WARは0.2だった。

WARがマイナスだった選手のなかにもメジャーの戦力となった選手はおり、メイソン・イングラート(タイガース)は31試合に登板して4勝3敗、2ホールド、防御率5.46を記録。ホセ・ヘルナンデス(パイレーツ)は50試合に登板して1勝3敗、5ホールド、防御率4.97という成績を残した。

このように、昨年のルール5ドラフトで指名された選手も粒揃いだったが、マヨ記者によると、ルール5ドラフトで指名された選手がオールスター・ゲームに選ばれたケースは、アストロズの守護神ライアン・プレスリーが最後だという。プレスリーは2012年のルール5ドラフトでレッドソックスからツインズに指名され、翌2013年にメジャーデビュー。2018年途中のアストロズ移籍後に才能を本格開花させ、2019年と2021年にオールスター・ゲーム選出を果たした。今季は通算100セーブのマイルストーンにも到達している。

プレスリーのように、オールスター選手を輩出するケースもあるルール5ドラフト。今年はいったいどんな選手が指名されるのだろうか。

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