オゾンホール、拡大傾向続く 南極大陸の1.9倍の大きさに

9月、大きく発達した南極上空のオゾンホール(NASA提供)

 気象庁は29日、南極上空のオゾンの量が極端に少なくなる現象「オゾンホール」が、9月21日に今年最大の2590万平方キロになったと発表した。昨年より少し小さいが南極大陸の約1.9倍。最近10年間で3番目に大きい。最大面積は2000年ごろから減少傾向だったが、20年以降は大きい年が続いている。

 フロンなどオゾン層破壊物質の大気中濃度は緩やかに減少しており、近年の拡大傾向は気象要因だとみられる。今年は9月に上空で低温域が広く分布し、オゾン層の破壊が促進されたと考えられる。

 気象庁によると、例年8~9月に発生し、11~12月に消滅する。今年は8月上旬に現れ、下旬に急速に拡大した。

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