リニア工事の水問題が前進「田代ダム案」を大井川流域の市町が了解 川勝平太知事「保全策となり得る」「引き続きJRと対話が必要」=静岡県

リニア中央新幹線の工事により、大井川の水が減る問題の解決としてJR東海が提案していた「田代ダム案」について、大井川利水関係協議会が提案を正式に「了解」し、11月29日、県がJR東海に報告しました。

【写真を見る】リニア工事の水問題が前進「田代ダム案」を大井川流域の市町が了解 川勝平太知事「保全策となり得る」「引き続きJRと対話が必要」=静岡県

水問題の解決策としてJR東海が提案したのは、山梨県側に水を流す田代ダムの取水を抑え、静岡県側の水量を確保する、いわゆる「田代ダム案」です。

この「田代ダム案」について、2023年10月、JR東海はダムを管理する東京電力との協議がまとまったとして、大井川利水関係協議会の事務局を務める県に対して、利水協の正式な了解を求めていました。

11月28日、利水協が正式に「了解」することを県に伝え、11月29日に県がJR東海に報告しました。

利水協は、冬場の渇水期に取水抑制できない状態が続いた時の対応や、突発湧水など不測の事態が起きた時の対応についてJR東海に詳しい説明を求めています。

一方、川勝平太知事は、「大井川中下流域の河川流量への影響を回避する保全策となり得ると考えている」とコメントした上で、トンネル湧水による水質、水温や生態系への影響の懸念は残されたままだとして「県の専門部会で引き続きJR東海との対話が必要である」としています。

© 静岡放送株式会社