政府、中国人虐殺も事実認定せず 関東大震災、歴史修正主義の懸念

 29日の参院予算委員会で、100年前の関東大震災時に起きた中国人虐殺に関する政府の歴史認識が問われた。松野博一官房長官と上川陽子外相は、いずれも「政府内に記録が見当たらない」と強調し、事実認定を避けた。政府は朝鮮人虐殺についても、これまでの国会審議で歴史的事実だと明言しておらず、歴史修正主義を助長する懸念が付きまとう。

 参院予算委では、震災時の事件で被害を受けた中国側に慰謝料20万円を支払うとした当時の外務省文書が焦点になった。社民党の福島瑞穂氏は、この文書に基づき虐殺の事実を認めるよう迫ったが、上川氏は「文書からは、記載以上の内容を把握できない」と述べた。

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