ガザ南部へ侵攻拡大明言 イスラエル軍、再避難を要求

イスラエル軍のコンリクス報道官(イスラエル軍提供・共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍のコンリクス報道官は29日、パレスチナ自治区ガザ北部に侵攻した地上部隊について、戦闘休止期間が終了した後、南部へ進軍するとの考えを示した。共同通信とのオンライン会見で語った。ガザ北部の住民は既に南部への避難を強要されており、南部でも地上戦が始まれば、さらなる民間人被害の拡大が懸念される。

 コンリクス氏は「地上部隊が南部へ進軍する計画はあるのか」との問いに「ある」と回答した上で「人道地区を設けており、民間人はそこに避難すべきだ」と述べた。

 コンリクス氏が示した「人道地区」は南部ハンユニス西方、地中海沿いのマワシ地区。「歴史的にハマスの拠点が極めて少なく、ハマス戦闘員もいない」としている。

 ただ国連によると、ガザ南部では既に約180万人が避難生活を強いられており、マワシ地区への再避難はさらに大きな人道危機を引き起こす恐れがある。

 コンリクス氏は「民間人は戦闘が終わるまで人道地区にいることができる。それが命を救う最善の方法だ」と指摘した。

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