メルボルンと壮絶ドローでGS突破お預け…甲府の篠田善之監督が反省口に「先制被弾でよりパワーを使うことに」

[写真:©超ワールドサッカー]

ヴァンフォーレ甲府の篠田善之監督が、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループH第5節のメルボルン・シティ戦を振り返った。

29日、グループ首位の甲府は勝ち点「7」と得失点差「+2」で並ぶ2位メルボルンと“ホーム”国立競技場にて対戦。勝てば他会場[浙江職業FCvsブリーラム・ユナイテッド]の結果次第でグループステージ突破の可能性もあったなか、3-3のドローに終わった。

◆ヴァンフォーレ甲府 3-3 メルボルン・シティ
【甲府】
井上詩音(前8)
鳥海芳樹(前43)
宮崎純真(後40)
【メルボルン】
カラム・タルボット(前5)
トルガイ・アルスラン(後14)
マリン・ヤコリシュ(後19)

これにより、グループ突破を最終節のブリーラム・ユナイテッド戦(A)まで持ち越すことに。篠田監督は試合後の会見で「今日も多くの方々にご来場いただいて、モチベーション高く試合に入りましたが、攻守の切り替え、頭の回転、判断…やや軽いところが見受けられました。先制点を奪われ、よりパワーを使うことになりました」と切り出す。

「それでも追いついて逆転して、という流れは素晴らしかったです。ただやはり、後半頭のPK(同点被弾)もそうですが、自分たちのミスからスペースを与えたことを反省しなければいけません。立て続けの失点でより苦しくなってしまいました。交代で入った選手がパワーを使って最後に追いつけたことは高く評価できます」

また、12日に行われたJ2リーグ最終節のモンテディオ山形戦(1●2)から、公式戦の間隔が2週間強、空いた点について問われると、それほど大きな影響はなかったと語る。

「そうですね。あいだが空いたのでトレーニングマッチなんかも組み込んだんですけど、公式戦になるとプレー強度は別物。ただ、それ以上に自分たちの距離感が気になりました。ビルドアップでももたついた印象があります」

「守備でもメルボルンの10番(アルスラン/4-1-2-3のインサイドハーフ)が低い位置までボールを引き出しに行った際、アンカーを消す役割の三平とウタカの位置取りがいつもより少し低くなった印象です。守備のスイッチがなかなか入らなかった要因の1つだと考えています」

様々な課題を口にした篠田監督。それでも、敗れたわけではなく、グループステージ突破の可能性もまだまだ十分。ポジティブさは忘れない。

「これほど多くのサポーターの方々の前で勝利を届けたかったというのが一番の思いです。選手も監督である私も、足りないところがいくつか見えた試合になったと思います。ただ、最後まで前向きに走った選手たち…最終節に可能性を残しました」

オーストラリアはAリーグの強豪メルボルン・シティと3-3という打ち合いを演じたのは、J2リーグのヴァンフォーレ甲府。“ホーム国立"に詰めかけたサポーターをたびたび沸かせ、J2勢の誇り、日本の誇りと呼ぶに相応しいゲームを今回も披露した。

甲府のグループステージ突破をかけた第6節(最終節)は12月12日。敵地タイで同国王者のブリーラムと対戦するが、敵地ではここまで2試合で1分け1敗...ブリーラムに敵地で勝ち、新たな歴史を刻む。

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