「楽しい毎日を提供するのが僕らの仕事」 人気ゲーム開発販売会社のゲームクリエイター 足利市の2中学校で講演

生徒に講義を行う中島さん

 【足利】人気ゲーム「信長の野望」などを開発販売する「コーエーテクモゲームス」(横浜市)のゲームクリエーターが28日、第一中と愛宕台中で特別講義を行った。ゲーム作りの面白さや舞台裏などを明かし、「楽しい毎日を提供するのが僕らの仕事」と力説した。

 同社は、市と包括連携協定を締結する「コーエーテクモホールディングス」(襟川陽一(えりかわよういち)社長)のグループ会社。市と同ホールディングスによる職業教育事業「まちの先生」の講師として、ゲームディレクター中島秀彦(なかじまひでひこ)さん(40)が招かれた。

 第一中では全校生徒198人が参加した。講義の冒頭、同校と足利高OBの襟川社長がビデオレターで登場した。「美しい自然、文化、歴史のある足利で育ったことが歴史に興味を持つきっかけになった。君たちからゲームクリエーターになる人がいればうれしい」と語りかけた。

 中島さんは、大作開発には約400人が関与し、完成までに5年半がかかると明かした。「仕事は協力しないとできない。相手に(自分の思いを)伝えることが大切」と強調した。

 ゲームを「生きるために必要なものではない」とした上で、「世界で1番人気のゲームは3億本販売されている。ゲームは開発して終わりではなく、プレーヤーに楽しんでもらうことがゴール」と説明した。

 講義の運営ボランティアを担った2年草処明璃(くさどころあかり)さん(14)と新井成菜(あらいせな)さん(14)は「ゲームの裏側を知ることができて良かった。気軽にゲームをやっていたが、たくさんの人の苦労でできていると分かった」と振り返った。

生徒に講義を行う中島さん

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