「過労死」を無くすシンポジウムが開催 遺族が悲しみ訴え… 

 働きすぎやパワーハラスメントなどで命が奪われる「過労死」をなくそうと、シンポジウムが11月29日に宇都宮市で開かれました。

 このシンポジウムは、過労死をなくすため厚生労働省が11月の啓発月間に合わせて毎年、全国で開催しています。

 はじめに栃木労働局による過労死の現状が報告され、昨年度(2022年度)労働が原因で心や体の病気にかかり、労災として認定されたのは全国で約900件でこのうち県内では3件でした。このうち、自殺や過労死とみられる原因で全国では約120人、県内では1人が命を落としました。

 またシンポジウムでは、2013年に過労が原因で31歳の若さで亡くなったNHKの記者・佐戸未和さんの母・恵美子さんが長時間労働が放置されていた職場環境への怒りや、今も拭えぬ悲しみを訴えました。

 ほかにも、東武宇都宮百貨店が働きやすい職場作りの取り組み事例を発表しました。時間外労働を前提としない評価体制や個人が負担していた仕事を切り離し、チームで仕事をする風土づくりなどが説明されました。

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