ジャンボのエールに「背中を押された」 西郷真央はスポット参戦の経験を力に

西郷真央はジャンボ尾崎からエールをもらって渡米してきた(撮影/桂川洋一)

◇米国女子◇Qシリーズ 事前(29日)◇マグノリアグローブGC(アラバマ州)◇クロッシングコース(パー72)、フォールズコース(パー71)

1年半ぶりの復活優勝を飾った「伊藤園レディス」の翌週大会も2位で終え、渡米前に納得できる状態が整った。そこに加わった師匠のエールが頼もしい。オフにした前週、西郷真央が足を運んだのは尾崎将司邸。「楽しみだな。頑張って来いよ」。ジャンボの短い言葉に「背中を押してもらえた」と、うなずいた。

シーズンの最終目標だったQシリーズ。開幕前日、クロッシングコースのアウト9ホールでの練習ラウンドも堂々とプレーする姿があった。グリーンチェックに多くの時間を割き、コースメモに何度もペンを走らせる。「昨年からメジャーに何試合も出させてもらったことで、情報収集をしっかりしないといけないと知った。(米国は)やっぱり日本よりもコースメモがすごく簡易的なので」

スポット参戦の経験を武器に最終予選会を戦う(撮影/桂川洋一)

3月、シンガポールでの「HSBC女子世界選手権」でスタートさせた今季はメジャー5大会にすべて出場した。3試合で決勝ラウンドに進出し、勝手が分かってきたところもある。「今までの経験も生かしながら、しっかりコースチェックができたと思います」と自信を込めて最終調整を終えた。

福井良太キャディとタッグを組む(撮影/桂川洋一)

会場の2コースはバミューダ芝の強い芽が厄介。「雨の影響もあってフェアウェイがかなりゆるいところがある。ちょっとしたミスが結構大きなミスにつながってしまう。しっかりボールをコンタクトして、日本とは全く違った芝質なので、考えながらやっていきたい」と警戒する。108ホールの長丁場。「フラストレーションを溜めずに、この長い6日間でしっかりリセット、気持ちを切り替えながら」と精神的なタフさも求められる。

2019年に日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテストを18位で、同年のQTを10位で通過してツアーの世界へ。「プロテストは今までで一番イヤな、すごくネガティブになるような気持ちになった大会だった」と苦笑いで思い返す。

大志を抱いてQシリーズへ(撮影/桂川洋一)

「(今回は)それに比べたらまだ気持ちはラクかなと思う。試合が始まって自分がどう感じるかはまだ分からないですけど、いろんな国から『アメリカツアーを戦いたい』と思っている選手が来ているのがQシリーズ。自分も挑戦者のつもりでしっかり頑張りたいです」。重ねてきた苦労も成長も大一番でぶつけたい。(アラバマ州モービル/桂川洋一)

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