「オタク」に関する消費者アンケート調査を実施(2023年) 時間もお金も掛ける傾向が強いのは「アイドルオタク」

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の「オタク」に関する消費者アンケート調査を実施し、オタク人口の推計のほか分野別(30分野)の「オタク」層の属性(特性)や活動状況などを分析した。ここでは分析結果の一部を公表する。

1.調査結果概要

2023年7月に日本国内在住の15歳から69歳までの男女10,000名に消費者アンケート調査を実施し、「オタク」を自認する、もしくは第三者から「オタク」と認知されていると回答した回答者数(複数回答)をもとに各分野の「オタク」の人数を拡大推計したところ、「漫画」オタクの人数が約674万人となり本調査対象の30分野の中で最も多い結果となった。次いで、「アニメ」オタクが約657万人、「アイドル」オタクが約429万人、「家庭用・コンシューマーゲーム」オタクが約318万人、「スマートフォンゲーム」オタクが約288万人であった。

また、オタクを自認する分野に対する1年間の消費金額について、10,000円から50,000円未満と回答した人が最も多く、一人当たりの年間平均消費金額(30分野全体)は44,154円(0円と回答した人を含む集計)であった。なお、回答者数(n数)が少ないことから一部参考値となる分野もある。

2.注目トピック~時間もお金も掛ける傾向が強いのは「アイドルオタク」

本調査対象であるオタク分野(30分野)ごとに1週間における活動に費やす時間(オタ活時間)についても尋ね、その結果と年間消費金額との関係性※を分析したところ、30分野の中で時間もお金も掛ける人が最も多い分野は「アイドル」で、アイドルオタクの25.3%が1週間のオタ活時間10時間以上、且つ年間消費金額50,000円以上と回答した。

アイドルオタクは約8割が女性、年代別にみると10~30代が全体の約7割強を占め、若年女性が多い結果であった。また、職業別にみると「学生」が全体の約25%と最も多いことから、比較的オタク活動(オタ活)に時間を割ける人が多いことが推察される。なお、なかにはオタク活動に20時間以上費やすと回答した人も約2割弱存在する。

また、アイドルオタクのうち、年間で10万円以上費やすと回答した人は約3割弱と高い一方で、平均世帯年収はオタク分野(30分野)全体の平均世帯年収と大きな差異はなく、他分野のオタクの年間消費金額と比較しても可処分所得のうちオタク活動に費やす金額が多い傾向が見られる結果であった。

※本アンケート調査では「1週間のオタ活時間」につき、2時間未満、2~10時間未満、10時間以上の3区分、「年間消費金額」につき、5,000円未満、5,000円から50,000円未満、50,000円以上の3区分とし、各分野における回答内容からクロス集計を行い、その関係性を分析している。なお、回答者数(n数)が少ないことから一部参考値となる分野もある。

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