レッドブルF1のマルコ「フェルスタッペンはまだピークに達していない」タイトルを支えたホンダへの感謝も

 レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、マックス・フェルスタッペンのポテンシャルは3度のF1王者となった今もピークに達していないと考えている。

 フェルスタッペンは、2023年に圧倒的優位を誇るシーズンを送り、22レース中19回の優勝を飾ったことで、F1優勝回数記録ではルイス・ハミルトン、ミハエル・シューマッハーに次いで歴代3位となった。しかしマルコは、54回のグランプリ優勝を果たしたフェルスタッペンはさらなる高みに到達できるとしている。

「すべての分野でそうだ。それは彼の絶対的な勝利への意志にかかっている」とマルコは『Sky Germany』に語った。

「彼はどんな状況に置かれても何でもできる。あるインシデントにペナルティが科せられる可能性があると知るとすぐ、彼は差を10秒増やす。マックスはラップごとに瞬時に1秒速くなることができる。それもクリーンかつ、簡単かのように行うのだ」

「タイヤマネジメントの点では、彼には決断力がある。マックスはタイヤに過剰な負荷をかけることなく、信じられないほど激しく限界の状態までドライビングできる。彼はタイヤを読み取っているようなものだ」

「アブダビGPでの予選でもそうだった。誰もが予想していたところから、また一歩前に進んだのだ。だから我々はまだピークに達していないと私は考えている」

2023年F1第23戦アブダビGP チェッカー後、ドーナッツターンするマックス・フェルスタッペン(レッドブル)

 もちろんフェルスタッペンの今シーズンの業績は、F1史上最も支配的なマシンを間違いなく生み出したエンジニアリングの卓越性と、レッドブルの覇権に密接に関連している。

 しかしマルコは、エンジンサプライヤーであるホンダ/HRCによる重要な貢献についても強調しており、ホンダのパワーユニットがシーズン全体を通して信頼性が高く、強力であったことが証明された。

「彼(フェルスタッペン)は大きな自信を持っており、必要のない時に戦いを仕掛けることもない。それでもさらに速さを増し続け、素材をうまく処理している」とマルコは付け加えた。

「しかしこうしたことすべてが可能だとは考えていなかった。それが今の時点でトップに限界が見えないと私が考えている理由だ」

「イギリスとホンダのスタッフたちに感謝しなければならない。ホンダは信じられないほど競争力のあるエンジンを作った。さらにエンジンは燃費の面でも安定していた」

「だが、全員が最大の情熱、献身、熱意によって仕事をしているチームしか、こうした成果を上げることはできない。それこそが我々のチームの特徴だと思う。我々自身に集中し、できる限り多くのレースで確実に勝とうとしている」

2023年F1第23戦アブダビGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝

© 株式会社三栄