インフルエンザ流行拡大 和歌山県で学級・学年閉鎖相次ぐ

 和歌山県内でインフルエンザが流行し、1医療機関当たりの患者報告数は注意報基準値(10人)を超えている。19日までの1週間は17.88人で今シーズン最多を記録。若年層の患者が多く、紀南地方でも学校で学級閉鎖が相次いでいる。

■注意報基準値超える

 県によると、今シーズンは10月22日までの1週間に10.76人となって以降、注意報発令基準を超え続けている。例年と比べると流行は2カ月くらい早い状況という。

 保健所管内別でみると、11月19日までの1週間は和歌山市保健所が最も多い23.13人。田辺保健所は17.00人、新宮保健所は14.67人で、ともに注意報発令基準を超えている。12日までの1週間は田辺が8.57人、新宮が3.67人だったが増加した。

 A型がほとんどで、年齢は19歳までの若年層が8割を超える。学校での流行が目立っており、19日までの1週間では、県内40校で学級閉鎖や学年閉鎖といった休業措置が取られた。

 田辺市教育委員会によると、27日以降は中学校2校、小学校2校で休業措置が取られている。内訳は学校閉鎖1校、学級閉鎖が6件。学校行事を延期したり、定期テストの実施日程をずらしたりなどの影響も出ている。インフルエンザによる休業措置は9月から出始めたが、11月に入って増えてきたという。

 田辺市たきない町の「赤ちゃんとこどものクリニック『ビィ』」の番浩院長によると、検査キットが入手困難で小児用の薬で品薄になっているものもある。各診療所では医師やスタッフに限りがあり、受け入れを制限せざるを得ない場合があったり、今後、受診できない、薬がないという状況に陥ったりする可能性も危惧している。

 番院長は「手指の衛生やマスクの着用など個人の対策を図り、短期間で大きな流行にならないように防ぐことが大切」と話している。

 県健康推進課も「今後もしばらく拡大する恐れがある。せきエチケットや換気、こまめな手洗い、ワクチン接種を検討するなどし、感染拡大防止に努めていただきたい」と呼びかけている。

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