持病隠し免許更新したうえ運転中に意識失い死傷事故か…逮捕の男を送検(静岡・浜松市)

2023年7月、持病を隠し免許を更新したうえ、浜松市内で車を運転中に意識を失い、2人を死傷させたとして28日に逮捕された男が、30日 朝、送検されました。

警察によりますと、危険運転致死傷などの疑いで送検されたのは、浜松市東区の会社員の男(45)です。

男は2023年7月、運転免許を更新をする際に「質問票」に虚偽の記載をして免許を更新、そのわずか4日後に、浜松市浜北区でワンボックスカーを運転中、持病の影響で意識を失い、信号待ちをしていた軽自動車に追突し、そのはずみで軽自動車がトラックに追突し、軽自動車を運転していた男性が死亡、トラックの運転手も軽いけがをしました。

男は、免許更新の際「質問票」のなかの「過去5年以内に病気を原因として意識を失ったことがあるか」という設問に「いいえ」と回答していました。警察は、男が免許が更新できなくなることを恐れ、虚偽の申告をしたとみて捜査を進めています。

(スタジオ解説)

Q:今回問題となった運転免許の「質問票」どういうもの?

(杉本 汐音 記者)

「質問票」は2014年の道路交通法改正に伴い、政令などが定める一定の病気にかかっているかを把握し、免許取得の拒否や取消しなどを適切に行うというものです。運転免許を新たに取得する人や、更新手続きをする人、全員に提出が義務付けられています」

Q:「一定の病気」とはどんなものが?

(杉本 汐音 記者)

「『統合失調症』や『てんかん』『再発性の失神』など重大な事故につながる恐れのある病気があげられます。

Q:こうした病気を把握するための「質問票」ということですが、質問の中身は?

(杉本 汐音 記者)

「質問は全部で5つあり『はい』か『いいえ』で答える形式になっていて、『過去5年以内に病気を原因として、意識を失ったことがあるか』『病気を理由として医師から運転免許の取得又は運転を控えるよう助言を受けている』などの質問があります」

「今回のケースでは、こちらの質問について『いいえ』とうその記載をしたということなんです。ただ、仮に対象となる病気にかかっていて『はい』にチェックをしたとしても、ただちに免許を更新できないわけではありません。医師の診断書などの提出を求められる場合がありますが、持病があったとしても、安全な運転に支障がなければ運転免許を更新したり取得したりすることができます」

「“質問票”に虚偽の記載をした場合『1年以下の懲役または30万以下の罰金』と厳しい罰則規定があり、正確に回答することが求められています」

ハンドルを握るということは、それだけの責任を伴うということを改めて認識する必要があります。

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