メルセデス・ベンツ、初フルモデルチェンジの『GLCクーペ』導入で“220d 4MATIC”が上陸

 先行してフルモデルチェンジを実施し、ひと足早く2代目となった『GLC』を追うように、約8カ月遅れで『GLCクーペ』も世代交代へ。メルセデス・ベンツのSUVのラインアップを支える人気車種として上陸する新型は、兄弟の『GLC』と同様に大幅な進化を達成した。

 車両下部を仮想的に映し出す“トランスペアレントボンネット”などオフロード性能を向上させるとともに、MBUX AR(拡張現実)ナビゲーションや生体認証(指紋/声)によるシートポジション設定など最新の技術を多数採用し、11月28日より発売開始となっている。

 2015年の登場以来、全世界での累計販売台数260万台を記録し、2020年、2021年にはベストセラーSUVにも輝いた『GLC』だが、その人気モデルをベースに登場した“クーペ”は、スタイリッシュなフォルムとSUVらしい存在感を両立させたのが最大の特徴となる。

 全幅は先代モデルと同じ1890mmを維持しつつ、さらに伸びやかで美しいシルエットに進化したエクステリアは、標準仕様ではグリル周囲を縁取るクロームとアンダーガード調のワイドなトリムにより、より上質さを増したスポーティさを演出。スターパターングリルを採用することで立体的に配されたスリーポインテッドスターとともに、片側のヘッドライトあたり100万画素以上となる解像度を備えたウルトラハイビーム付きDIGITALライトにより先進的な表情を醸し出す。

 さらに、ホイールベースを15mm伸長し、よりスタイリッシュなシルエットとなったサイドでも、AMGラインパッケージ仕様ではボディ同色のワイドホイールアーチが装着するなど一層洗練された印象を与えると同時に、空気抵抗係数を表すCd値では先代モデルの0.30からさらに少ない0.27(ともに欧州参考値)とすることで、高水準のエアロダイナミクスを実現している。

 同じくインテリアも最新世代の機能を盛り込むとともに高い質感を備えたデザインとなり、翼のような形状の上段部には航空機エンジンのナセルを想わせる丸みをつけたやや横長の角型エアアウトレットが配置され、下段はセンターコンソールからダッシュボードへと繋がるリアルウッドを使用したインテリアトリムを配する。

全幅は先代モデルと同じ1890mmを維持しつつ、さらに伸びやかで美しいシルエットに進化した
スターパターングリルを採用することで立体的に配されたスリーポインテッドスターとともに、片側のヘッドライトあたり100万画素以上となる解像度を備えたウルトラハイビーム付きDIGITALライトにより、先進的な表情を醸し出す

■SUVとしての機能が高められた新型GLCクーペ

 標準仕様となるブラックの光沢仕上げのアッシュウッドと、垂直方向に木目が現れるマット仕上げのライムウッドを用いたAMGラインパッケージ仕様に加え、レザーエクスクルーシブパッケージとAMGレザーエクスクルーシブパッケージの仕様では、ブラックオープンポアウッド・インテリアトリムを採用。

 黒い木目の自然な質感を活かすマットな処理に、アクセントとして垂直方向にアルミニウムのラインを取り入れたラグジュアリーかつクールな雰囲気を漂わせる。

 乗降時やエアコン操作などにも連動する64色のアンビエントライトに加え、静電容量式センサーを備えた最新世代のステアリングホイールの奥には、まるで浮かんでいるような12.3インチの大型コックピットディスプレイを備え、ダッシュボードと縦型11.9インチのメディアディスプレイは運転席側に6°傾けた新デザインとした。

 このメディアディスプレイを活用し、上級モデルと同じくフロントタイヤとその操舵方向を含むフロント部分下方の路面を仮想的に映し出す“トランスペアレントボンネット”機能も搭載。これによりディスプレイで進路上にある大きな石や深い窪みなどの障害をいち早く確認することが可能となっている。

 さらにコックピットディスプレイに車両の傾きや路面の勾配、標高、経度緯度、コンパスのほか、車速やエンジン回転数を表示し、メディアディスプレイには周辺地形における現在の姿勢や前後ホイールの操舵角などを表示できるオフロードスクリーンも備えるなど、さらにSUVとしての機能が高められている。

 現状でのグレード展開は“GLC 220d 4MATIC”のみとなり、エンジン単体で197PS/440Nmを発生する2.0リッターのクリーンディーゼル直列4気筒ターボ『OM654M』を搭載。さらにエンジンとトランスミッションの間に配置されるISG(インテグレイテッド・スターター・ジェネレーター)により、短時間ながら最大で23PS(17kW)/205Nmのブーストが可能に。

 そのエンジンには変速比幅が広い『9G-TRONIC』を組み合わせるとともに、スイッチ操作のみでエンジンやトランスミッションの特性を切り替えるダイナミック・セレクトには新たに“OFFROAD”モードも追加され、急な下り坂での安定した走行をサポートするDSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)も実装された。

 標準時には545リットル、リヤシートを畳めば1490リットルに拡大するラゲッジはもちろん、オプション装備として後輪操舵システムのリヤ・アクスルステアリングやAIRMATICサスペンションなども設定され、価格は898万円(税込)となっている。

メルセデスコール:0120-190-610
メルセデス・ベンツ日本ウェブサイト:http://www.mercedes-benz.co.jp

翼のような形状の上段部には航空機エンジンのナセルを想わせる丸みをつけたやや横長の角型エアアウトレットが配置され、下段はセンターコンソールからダッシュボードへと繋がるリアルウッドを使用したインテリアトリムを配する
現状でのグレード展開は”GLC 220d 4MATIC”のみとなり、エンジン単体で197PS/440Nmを発生する2.0リッターのクリーンディーゼル直列4気筒ターボのOM654Mを搭載

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