吉備中央町 水道水の安全を確認し給水所を閉鎖 農家は風評被害心配 岡山

岡山県吉備中央町の円城浄水場の水から国の暫定目標値を超える有機フッ素化合物が検出された問題。この問題を受けて町が設置した給水所が、30日で閉鎖されます。

(在間隆真リポート)
「かもがわ総合福祉センターの給水所です。最終日の30日は、開始から1時間で10人ほどが訪れ、これは普段よりも多いということです」

水質問題を受けて、吉備中央町は10月16日から水道水を飲み水として使わないよう呼び掛け、町内の6カ所に給水所を設置しました。

その後、水道水の安全が確認されたとして11月22日に使用制限を解除。25日からは、給水所をかもがわ総合福祉センターの1カ所としていました。その給水所も30日午後7時に閉鎖します。

使用制限は解除されましたが、住民からはーー。

(給水に来た人は―)
「お茶とかはお水を買いに行こうかな。体に入れるのがちょっと不安かな」

町内の道の駅「かもがわ円城」。道の駅に併設されたうどん店では、水道水の使用が制限されて以降、町から1日に1回配られる水を使って、うどんをゆでたり、食器を洗ったりしていました。

使用制限が解除されてからは、水道水の使用を再開しています。

(道の駅かもがわ円城/田原次郎 駅長)
「1日350リットルくらい土日は必要なので、それを(ポリタンクから)運ぶのがかなりの重労働だった。『命の水』というだけあって、便利になって、これが普通なんだなというのを実感しました。(町は)管理をしっかりとしていただいて、安全な水を届けていただきたい」

町の特産の白菜を育てる農家からは、風評被害への不安がぬぐい切れません。

(白菜農家/片山隆輔さん)
「(消費者は)円城とか吉備中央町とか言ったら区別がつかないんで、心配されるとは思うんですけど、野菜・果物、何も影響はありませんので安心して召し上がっていただきたい」

町は円城浄水場の給水エリアの米と白菜を検査し、いずれからも有機フッ素化合物が検出されなかったと11月14日に発表しています。

農作物用の水は、使用が制限された水道水とは違う水源から引いているということです。

(白菜農家/片山隆輔さん)
「誰も故意にやったことでもないですし、そんなに心配はしていないんですけど、小さいお子さんについてはやっぱり心配ですから、その辺のフォローは行政の方でしっかりしていただきたい」

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