【チャンピオンズC/全頭診断】大外レモンポップは買いか 「3.0.2.1」合致のGI馬に穴妙味

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今週は中京競馬場で、第24回チャンピオンズC(GI、ダ1800m)が行われる。下半期の砂の王者決戦に揃った豪華メンバー。イクイノックスが有終の美を飾ったジャパンCから1週間、本レースは混戦ムードが漂っている。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬16頭の全頭診断を行う。

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■チャンピオンズカップ2023 出走予定馬全頭診断

・1枠1番 メイクアリープ

オープン昇級後は勝ち切れないレースが続く現状。GI馬が揃ったここでの上位進出は至難の業と言えそうだ。

・2枠2番 メイショウハリオ

実績のある大井ダート2000mで施行された前走JBCクラシック。結果は勝ち馬と大きく離された4着と、得意条件を思えば物足りなく思えてしまうが……当時が休み明けローテだった点は見逃せない。叩き2戦目ローテでは【3.0.2.1】とほとんど大崩れなし。大出遅れのフェブラリーSも3着に入っており、内めの枠を引き当てたので穴妙味は増す。

・2枠3番 ジオグリフ

ダートでは【0.0.0.3】馬券内なし。右回りの重賞2勝という馬でもあり、変わり身は望み薄か。

・3枠4番 テーオーケインズ

一昨年のこのレース勝ち馬。6馬身差圧勝の当時は文句のつけようのないパフォーマンスだったが、4着に敗れた昨年以降は勝ち切れない競馬が続いている。キャリアを重ねて1800m向きのスピードが消失された感があり、今年使われたレースはすべて2000m超。リピーターの好走が目立つ性質からノーマークにはできないが、昨年同様に伸びきれない可能性は考えるべきだろう。

・3枠5番 ドゥラエレーデ

ドバイ→日本ダービー→宝塚記念→セントライト記念→チャンピオンズカップと思わず目を疑ってしまうようなローテーションを歩む馬。ダートでは底を見せていないとはいえ、キャリアを積んだ古馬相手では分が悪い印象だ。

・4枠6番 グロリアムンディ

2人気に支持された昨年のこのレースは12着。内枠で砂を被り通しだったとはいえ、さすがに負けすぎと言わざるを得ない。その後は重賞2勝を上乗せしたように能力は非凡なものがあるし、GIで無双中のC.ルメール騎乗は不気味だが押さえ程度が精いっぱいか。

・4枠7番 ウィルソンテソーロ

5走前に使われた当舞台では勝ち馬と1秒近く離されての馬券外。GIで大敗を喫した前走も含め、強調材料は乏しい。

・5枠8番 アーテルアストレア

当距離での持ちタイムは1分51秒6とこのメンバーのなかでは平凡な部類。5戦4勝の得意コース替わりはプラスも、1分50秒台前半以内の勝ち時計がデフォルトのレースにあって厳しい印象は否めない。

・5枠9番 クラウンプライド

昨年のこのレース2着馬。道中2番手から上がり3F2位……ほぼ勝利を確信したレースだったと思われたが、勝ち馬の決め手が一枚上手だったのだろう。ダート1800mでは【3.2.0.1】、唯一の馬券外はサウジカップのみ。出走プランのあったJBCクラシックを回避したローテーションは気がかりも、軽くは扱えない。

・6枠10番 ノットゥルノ

重賞での馬券内は地方交流重賞レースに限定。昨年8着の舞台替わりはマイナスと言わざるを得ない。

・6枠11番 ハギノアレグリアス

前走は斤量58.5キロをものともせず勝利。当時の2着馬アイコンテーラーが次走JBCレディスクラシック勝利ならレースレベルも一定のものが保証されそうだ。今週末はパサパサに乾いたダートが予想されるが、この馬の良馬場ダート1800m成績は【2.2.0.0】連対率100%。アナザートゥルース、アスカノロマンなど人気薄激走が目立つ東海S連対馬でもあり、軽視は禁物だ。

・7枠12番 セラフィックコール

デビューから無傷の5連勝で臨むGIの舞台。すべてのレースで上がり3F最速をマークしている切れ味はすでにダート路線でもトップクラスと言えるだろう。ただ、今回は同馬の脚質×中京ダート1800mの舞台設定が大きな壁となって立ちはだかる。過去のチャンピオンズカップにおいて、前走1800m以上で初角10番手以下だった馬は【0.0.0.22】。左回りを使われた3走前は1コーナーで大きく膨れるような場面があり、ここは不安のほうが大きい印象だ。

・7枠13番 ケイアイシェルビー

3勝クラス卒業後は苦戦が続く馬。厳しい。

・8枠14番 アイコンテーラー

ダートに転向後、トントン拍子で出世をはたし、GI馬の称号を得た馬。牡馬相手でも戦えることは2走前に証明済みで、飛ぶ鳥を落とす勢いのドゥラメンテ産駒である点も強調材料と言える。ただ、今回は自身初の中京ダート1800m。斤量56キロも初めてとクリアすべきハードルは決して低くない。能力を認めつつ、上位評価には据えづらいところだ。

・8枠15番 レモンポップ

世界の壁を思い知らされたドバイからの休み明けで臨んだ前走南部杯。単騎逃げから直線を向くと、みるみるうちに後続との差を広げる圧巻のパフォーマンスだった。もはや1400-1600mでは国内敵なしと言えるだろう。今回は未知の距離への挑戦となるが、根岸Sのように控える競馬もできるタイプ。前走内容を見る限りパタッと止まるシーンは想像しにくい。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年11月30日 18:02公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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