柴田恭兵、矢本悠馬、前田旺志郎らが「舟を編む~私、辞書つくります~」に出演決定

NHK BS・NHK BSプレミアム4Kで2024年2月18日スタートするプレミアムドラマ「舟を編む ~私、辞書つくります~」(日曜午後10:00)に、柴田恭兵矢本悠馬美村里江岩松了渡辺真起子前田旺志郎が出演することが分かった。

「舟を編む~私、辞書つくります~」は、辞書作りに懸ける情熱を描いた三浦しをん氏の小説「舟を編む」を基に連続ドラマ化。原作では、大手出版社「玄武書房」の営業部から辞書編集部に異動する馬締光也が主人公だが、今回の連ドラでは、ファッション誌から辞書編集部に異動になった若手社員・岸辺みどりの視点で描く、全く新しい物語だ。辞書への思い入れも知識もないみどりと同じ感覚で、言葉にこだわる辞書作りの魅力を通して、“言葉は誰かを傷つけるためではなく、誰かを守り、誰かとつながるためにある”という未来への希望を込めている。辞書「大渡海」を完成させるまでの、辞書編集部員たちの奮闘物語だ。

みどり(池田エライザ)は、大人気ファッション誌の編集部員だったが、雑誌の廃刊が決まり、辞書編集部に異動に。ぼさぼさ頭で超がつくほどの生真面目上司・馬締(野田洋次郎)を筆頭に、くせ者ぞろいの辞書編集部で彼らに翻弄(ほんろう)されながらも、1冊の辞書を作るために十数年間におよぶ時間と手間をかける根気と熱意に触発される。みどりも次第に言葉の魅力を発見し、辞書編纂(へんさん)の仕事にのめり込んでいく。

「玄武書房」初の中型辞書「大渡海」の発起人であり、監修者の松本朋佑を演じるのは柴田。日本語学者の松本は、常に用例採集カードを持ち歩き、耳慣れない言葉を聞くとすぐに記録する。穏やかなたたずまいながら、“辞書の鬼”と呼ばれるほど言葉への探求心が強い人物だ。

柴田は「“言葉”で思い出すのは、制作統括の訓覇圭さんとご一緒した、『ハゲタカ』というドラマでのこと。撮影中に僕が肺がんになってしまって、『申し訳ないけど、続けることはできないかもしれない、代役を立ててもらえないか』と言ったら、『待ちます!』と言われたんです。その時の『待ちます』という言葉が強烈で、現場に戻って来た時に『お帰りなさい』と皆が拍手で迎え入れてくれた時の温かさにすごく感激しました。そんなことがあって、訓覇さんもいて、同じく制作統括の高明希さんからも熱烈なラブレターをいただいて、第1話の脚本を読んで、これはやろうと決めました」と、オファーを受けた経緯を話す。

続けて「セリフって言葉のキャッチボールだから、今回初めての人ばかりなので、『どんな球を投げてくれるんだろう』と本当に楽しみで、撮影していてとてもすてきな、素直な方々でうれしかったし、僕も素直なボールを投げ返せたらいいなと思ってやっています」と話し、現場を楽しんでいる様子。演じる松本については「温かくて優しくて、信念をしっかり持っていて、どこかチャーミング。台本が素晴らしいので、毎話本当に胸を打つ。役者とスタッフが頑張ってこのドラマの舟を編んだら、きっと見てくださった人の心にちゃんとこのドラマの舟は届くと思うし、届いたらいいなと思います」と心境を明かしている。

矢本が担うのは、製紙会社「あけぼの製紙」営業担当・宮本慎一郎役。中型辞書「大渡海」用の紙の開発に取り組んでいる「あけぼの製紙」は、馬締の要望に苦労しながら、よりよい紙の開発を目指している。みどりと“究極の紙”を作るため、切磋琢磨(せっさたくま)するうちに恋心が芽生える。

矢本は「今回、台本を開いてみて、こんな世界があるのだと驚きました。辞書を作る方々の言葉に対するこだわりや魅力など、読みながら初めて知ることばかりで、ページをめくる手がどんどん進んだのを覚えています」と振り返り、「辞書は勝手にずっとそこにあったわけじゃなくて誰かが生み出して、そして言葉が進化する度に辞書も進化する。辞書それぞれにも作り手の個性がある。少し想像すれば分かるはずなのに、辞書という絶対的な安心感に甘えていた気がします」と、あらためて辞書のありがたみをかみ締めた。そして「自分は辞書の紙を担当する役柄です。言葉も面白いですが、紙もなかなか深い世界です。早くこの作品の面白さを視聴者の方と分かち合いたい! そんな気持ちで撮影しております」と述べる。

馬締の配偶者・馬締香具矢は、美村が演じる。東京・神楽坂で「月の裏」という小料理店を営む板前で、馬締が下宿していた大家の孫娘だ。旧姓は、林。馬締が生まれて初めて一目ぼれを経験し、長文の恋文を送った相手でもある。後に、みどりのよき理解者にもなっていく。

三浦氏の小説が大好きだという美村は「連載中の挿絵からコミカライズなどまで担当された、雲田はるこさんの画集まで持っているほどの原作ファンです!」とアピール。「『映画もあったのにドラマ化?』と、どんなふうになるのかなと思っていたら、想像のはるか上を行く素晴らしい台本が次々と…」と目を輝かせる。加えて「原作のエッセンスに、今の時代性と“映像の羽”がプラスされた脚本家の蛭田直美さんの玉稿(ぎょっこう)。初読は最早新刊を待つただのファンになっており、役者業に限らず純粋に読書として楽しみ、言葉をつづる執筆業を営む目線でも幸せな時間を過ごしております」と報告しつつ、「野田さんが演じる“みっちゃん“の妻・香具矢として、みどりちゃんはじめ辞書編集部の皆さんがくつろげる割烹料理『月の裏』店主として腕を振るいたいと思います」と力を込めている。

岩松は、馬締を辞書編集部へ引き入れた、元辞書編集部員の荒木公平に扮(ふん)する。荒木は定年退職後、社外編集者として、松本と企画した中型辞書「大渡海」を完成させるため、馬締たちと作業を続けている執念の男で、根っからの辞書好きだ。

熱血な荒木役で本作に参加する岩松は「『舟を編む』は、社会派とか恋愛ものとか、ジャンルではくくれないよさがあると思います」と前置きした上で、「辞書の中に入ってゆく人たちという独自の世界を描いてあって、ワンタッチで言葉もその意味も照合できる今の時代に、一つの言葉を、ああでもないこうでもないと言い合ってる人たちの姿は、シリアスなのかコミカルなのかも判然としない面白さがあります。と同時に、この効率優先の現代社会に、奥ゆかしくも静かに闘いを挑んでいるような趣きもあって、一出演者としては、その闘いに参加しているんだなと、身を引き締めている次第です」と、作品の魅力と出演できる喜びを語った。

渡辺が担う佐々木薫は、辞書編集部の事務員として雇われている契約社員。長年、辞書編集部のありとあらゆる事務作業をそつなく取りまとめており、辞書作り以外、身の回りのことがおろそかになりがちな馬締の面倒も見ている。

「このたびは、とてもすてきな皆さまとご一緒させていただき大変光栄です」と感謝した渡辺は、「『言葉』への興味が果てしなくあります。言葉は私と他者を結ぶとても大切なものです。上手に使うことはできていないし、学びきれていないことだらけですが、『舟を編む』の物語のように、コツコツと学んでいきたいと思っています」とやる気を見せ、「主人公のみどりさんの私の見つけ方を楽しみに、皆さんに、ご迷惑をかけないよう精いっぱい役割を務めさせていただきます」と意気込む。

辞書編集部のアルバイトリーダー・天童充に扮するのは前田。体育会系のノリでチームをけん引する天童は、大学で日本語学を専攻している。辞書を引くのが達人レベルで早い。無愛想で、異動してきた新参者の社員・みどりとよく衝突する。

前田は「自分の生活の中で言葉の意味を調べる時って、知らない言葉が出てきたり聞いたりした時だけでした。しかし今回の作品に天童役として出させていただくことが決まり、普段から辞書と触れ合うように習慣づけるようになりました」と明かす。さらに、「その過程の中で知っている言葉の意味が辞書ではどのように説明されているのかを調べるのが楽しくなりました。作品の中でもたくさんの言葉の説明が主人公たちの変化につながっていきます。言葉の意味には魅力がいっぱいで、その言葉を大切に扱う辞書作りに携わっている方を演じる事ができる日々を楽しんでおります。作品を見て普段自分が扱っている言葉、言語を見つめ直し、発見や生きる上でのヒントと出合える方がいたらいいなと思います。その魅力を伝えられるように、最後まで丁寧に天童を演じさせていただきます」と真摯(しんし)に向き合っている。

なお、原作ファンにとって、「舟を編む」を語る上でかかせない存在、西岡正志役は12月中に発表される予定だ。

© 株式会社東京ニュース通信社