洗練の技と美意識 ファン堪能 日本伝統工芸展岡山展、3日まで

洗練された漆芸やガラスの優品を楽しむファンら

 岡山市北区天神町、県立美術館で開催中の「第70回日本伝統工芸展」岡山展(山陽新聞社など主催)は12月3日まで。30日も多くのファンが訪れ、現代工芸をリードする作家たちの洗練された技と美意識を堪能した。

 陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門からなる国内最大規模の工芸公募展。伝統の技法を極めた重要無形文化財保持者(人間国宝)から気鋭の若手まで、入賞・入選作など計271点が並ぶ。

 地元からは備前焼の人間国宝伊勢崎淳さん(備前市)の大胆な削り目の花器、木工芸の県重文保持者小椋芳之さん(津山市)の木目が美しい盛器など15点が並び、注目を集める。

 黒から緋(ひ)色へのグラデーションが印象的な備前焼の花器に見入っていた岡山市中区、女性(67)は「作り手の創意や努力を感じさせる作品ばかり。見ているだけでわくわくします」と話した。

 3日午後1時半から、色絵磁器の人間国宝14代今泉今右衛門さんの記念講演がある。

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