炎に今年の無事、新年の健康祈る 最上稲荷で「お火たき大祭」

 今年一年の無事に感謝をささげ、来年の健康を祈る「お火たき大祭」が30日、岡山市北区高松稲荷の最上稲荷で始まった。7日までの8日間でお札や護摩木など約20万点をたき上げる。

 日が暮れた午後5時半、「修法師(しゅほっし)」と呼ばれる僧侶ら約20人が神火(しんか)を載せたみこしを本殿前に運び、稲荷日應(にちおう)山主が護摩壇(高さ約1メートル、約3メートル四方)に点火。約5千点の古札や護摩木が火柱を上げて激しく燃え、参拝者が持参したお札やお守りを投げ入れて手を合わせた。

 姉と訪れたパートの女性(49)=倉敷市=は「来年は自宅を新築するので、家族で仲良く楽しく過ごせるようお祈りした」と話した。

 1日は午後3時まで続き、2日からは午前9時~午後3時に行われる。

 大祭は、同稲荷の開祖・報恩大師が奈良時代、天皇の病気回復を感謝する祈りをささげた際、お札が煙とともに消えたとの言い伝えに起源する。

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