「不完全燃焼晴らせた」 高岡一高OBが帝京OBに勝利 「あの夏を取り戻せ」交流試合

熱戦を繰り広げる高岡一高OBと帝京高OB=兵庫県の高砂市野球場(高岡一高提供)

  ●14人全員、プレー満喫

 新型コロナウイルスの感染拡大で夏の甲子園大会が中止となった2020年時の高校3年生球児による「あの夏を取り戻せ~全国元高校球児野球大会」は2日目の30日、兵庫県高砂市野球場などで交流試合が行われた。富山からは当時の県独自大会で優勝した高岡一のOBチームが出場、帝京(東東京)OBチームと対戦し、7―4で勝利した。高岡一の元主将長井隆輔さん(びわこ成蹊スポーツ大3年)は「3年前の不完全燃焼を晴らすことができた」と充実感を口にした。

 「勝ちにこだわり楽しんでプレーしよう」。選手でそう話し合って迎えた試合は、初回に相手に2点を先制されたものの、二回に3点を奪って逆転。直後に同点とされたが、三回には4、5、6番の3連打で4点を追加して、そのまま逃げ切った。

 ベンチでは、ユニホーム姿の選手同士が「高校3年に戻った気分だ」と笑い合い、プレーを見て当時の思い出話に花を咲かせるなど終始和やかな雰囲気だった。登録選手14人全員が試合に出場し、長島正弥部長は「3年前の思いをぶつけたような懸命なプレーと、野球の楽しさを体現してくれた」と奮闘をたたえた。

 前日は「聖地」甲子園で入場行進やシートノックを経験。長井さんは「憧れの場所に立てて夢のようだった。後輩にもこの思いを味わってほしい」と話した。自身らOBについては「止まっていた時間が動きだした気分だ。この大会への参加を糧にそれぞれの夢に向かって頑張りたい」と前を見据えた。

熱戦を繰り広げる高岡一高OBと帝京高OB=兵庫県の高砂市野球場(高岡一高提供)

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