【GXビジネス】中小企業の課題解決請負人 座談会㊦【大分県】 大分の資源を生かして輝けるように

座談会で意見を交わした(左から)越田剛史さん、矢野俊樹さん、今長学さん=大分市

 顧客の商品やサービスの価値を向上させるマーケティングコンサルタントやクリエーター。クリエーティブディレクターの越田剛史さん(41)、ウェブディレクターの矢野俊樹さん(46)、マーケティングコンサルタントの今長学さん(40)が考える顧客支援とは―。座談会で意見を交わした。(㊤から続く)

 

―新規事業開発などの現場では、この製品を売りたいという「プロダクトアウト」と、市場ニーズを受けて作る「マーケットイン」という考え方があります。皆さんはどちらを支持していますか?

 今長 マーケットインです。ビジネスは「お客さまの課題を解決して対価としてのお金を得る」こと。ものが少なかった時代であれば「作れば売れる」こともあったでしょう。ですが、ものがあふれすぎている現代では消費者のニーズを満たさないものは絶対に売れない。市場のニーズに向き合う必要性は高まっています。だからこそ「誰」にこの商品を売っているのかを明確にすることが必要です。

 越田 マーケットインの考え方をすべき。ユーザーニーズを見ながら、顧客の商品やサービスと市場の橋渡しをするのがクリエーターの役割の一つ。ほかにも、まだ世の中に出回っていないものを「はやるかもしれない」と仕掛けられたら、それもマーケットインだと思っています。イノベーションに近い形でものを作れるクリエーターは、顧客にとって相当強い味方です。

 今長 分かりやすいたとえだと(米アップル社の)iPhoneはプロダクトアウトですが、世界中で使われています。多くの人に喜ばれているので、結果的にマーケットインだといえます。商品作りの過程でも消費者を強く意識しています。

 矢野 正論はマーケットインだと思うのですが、作り手が愛してやまない「自慢の一品」は応援したい。自慢の商品を売れる市場を考え、見せ方を工夫し、新しい用途を提案するなど試みます。自分の顧客が愛情を持って作った商品なら、僕が新しい市場を作るようなサポートをしていきたいです。

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