ヴェルスパ大分 シーズン総括 可能性を披露したものの目標達成に至らず 【大分県】

今季のリーグ戦成績

6位 勝点40 10勝10分8敗 28得点・29失点

ヴェルスパ大分は最終節の高知ユナイテッドSCに0-0で引き分け、全日程を終了した。今季もJ3昇格を目標に掲げ、3節から4連勝で一時は首位に立ち、順風満帆に見えた航海は、その後にさまざまな部分で歪みを生み始めた。中盤戦以降は低迷し、上位争いに絡めずに終わった。

山橋貴史監督が指揮して3年目、昨季からのサッカーをさらに熟成するべく、前線からボールを奪い、縦に速い「速攻」と後方でボールを動かし、相手守備の隙を突いて攻撃する「遅攻」を使い分けた。ほとんどの試合で相手陣内に押し込むことができたが、ゴール前の質が上がらず、得点を奪えずにいると次第に焦燥感を募らせた。

今季は決定力が課題となった

悪い流れは守備にも影響を及ぼし、失点数も増えた。8月の中断期間中には、守備の立て直しを重点課題とし、4バックから3バックにシステムを変更するなどテコ入れする。しかし、守備に重心を置くことで攻撃の迫力を欠き、攻守のバランスを保てなかった。

終盤は原点回帰し、4バックに戻し、ハードワークの徹底、若手の抜擢により攻守の狙いの明確化と選手間の競争を刺激。試合ごとに精度を高めながら勝点を積み上げ、順位を上げたが思うような結果には至らなかった。

これで優勝した2020年以降の順位は3位、8位、6位となった。中位をキープするも、「J3昇格」を目指すクラブとしては満足のいく結果ではない。しかも今季は勝ちきれない試合が多く10戦未勝利を記録、1試合平均得点1はリーグワースト3位、得点力向上が来季の課題となるのは明らかだ。ただ、天皇杯2回戦で大分ダービーを制し、大分トリニータに公式戦初勝利し、チームのポテンシャルを証明できたことは、現体制で挑む来季への試金石としたい。

山橋監督の続投が決まり、来季も現体制で挑む

(柚野真也)

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