自動運転バス実証実験 茨城・つくば市など8者 筑波大構内を周回

実証実験で使用される自動運転バス(KDDI提供)

茨城県つくば市は30日、筑波大など7者と連携した自動運転バスの実証実験を、来年1月19日から開始すると発表した。電気自動車(EV)が同大構内の道路約4キロを周回する。バス運転手の不足など公共交通が抱える課題解決に向け、2025年度には運転席に人を必要としない「レベル4」の運行を目指す。

市は10月、同大と関東鉄道(同県土浦市)、KDDI(東京)の4者と共同事業体を形成。国土交通省の補助金を活用し、協力企業を含めた計8者で実証実験に取り組む。県内の路線バスが運転手不足で減便を余儀なくされる中、産学官連携で公共交通の課題解決につなげたい考え。

市科学技術戦略課によると、実験は国の指標で「レベル2」に相当。運転席に運転手は座るものの、車両搭載カメラやセンサーなどを活用した自動運転となる。歩行者の飛び出しなどの緊急時はドライバーが対応する。車両定員は10人。

実験では、道路などにカメラやセンサーを設置して歩行者や障害物などの情報を検知するほか、リアルタイムで車と情報共有できる「路車間協調システム」も運用。三差路など十字路以外の交差点で同システムの有効性を調査する。

自動運転バスが走行するのは、関東鉄道が運行する循環ルートの一部で、同大第一エリア前や同大学会館前、天久保3丁目前などの約4キロ。1日7便を予定している。実施期間は来年1月19~30日の土日を除く計8日間。利用者は事前公募する。

市などは、実証実験を通して利用者の満足度や技術的・地理的な課題を洗い出したい考え。

同課は「将来は『レベル4』の自動運転バスの社会実装に向けた事業性や路線拡張などを目指したい」としている。

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