長崎県内にインフル流行警報 過去2番目の早さ さらに拡大懸念【11月30日発表】

長崎県内・新型コロナ感染者数

 長崎県は30日、インフルエンザ流行警報を出した。2018~19年以来、5シーズンぶりで07年以降確認できる範囲で過去2番目に早い発令という。感染症に詳しい長崎大学病院の森内浩幸教授は今後の流行について「集団免疫はまだできあがっていないはず」と、さらなる感染拡大に警戒を呼びかける。
 県によると、最近1週間(20~26日)の感染者の報告数は県内70の定点医療機関平均で43.67人と今季初めて警報レベルの30人を超えた。報告数は3057人(前週比1081人増)で、1週間で1.5倍に増加。年代別は10歳未満と10代で8割を占めた。
 保健所管内別では全10カ所のうち、6カ所で30人を超え、4カ所も注意報レベルの10人超となった。最多は対馬の106人。次いで長崎71.94人、県北55.50人、西彼44.83人、県央30.09人、上五島35人、県南26.38人、佐世保22.55人など。
 森内教授は急激な感染拡大で「休日当番の小児科には既に患者が押し寄せている」と医療の逼迫(ひっぱく)状況を説明。「すぐに対応すべき人たちへの対応が遅れてしまうことになりかねない」と懸念する。
 医療提供体制を守るためには「ピークを遅らせることが重要。ワクチン接種である程度広がりを防ぐことはできる。距離が近い状況で話す際はマスクを着用し、換気に努めることも大事。(発熱やせきなどの)症状があったら人と会わないことも重要だ」と指摘する。
 県は新型コロナウイルス感染症の状況も発表。報告数は97人(前週比18人減)、1定点当たり1.39人だった。

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