庁舎安全計画策定へ 茨城・日立市 浸水、電源対策見直し 復旧費2億3200万円追加

日立市役所=同市助川町1丁目

台風13号に伴う9月の大雨で庁舎が浸水、停電した茨城県日立市は30日、本格復旧に向けて「庁舎安全対策計画」(仮称)を策定することを明らかにした。浸水対策や電源対策を見直す。12月の市議会定例会に提出する本年度一般会計補正予算案では、庁舎の復旧事業費として2億3200万円を追加する。

同市役所は9月8日の大雨で庁舎脇を流れる数沢川が氾濫し、非常用電源を含む地下の受電設備などが水に漬かって電源を喪失。復旧に丸1日かかり、災害対策本部を近くの消防本部に移転した。

市は復旧の基本的な方向性を示す災害復旧基本計画を、来年3月までに策定する方針。これを実現するため「庁舎」と「河川・治水」については、具体的な対応を盛り込んだ個別計画をそれぞれまとめる。

庁舎の非常用電源設備は現在、地上の駐車場に仮置きされ、一部停止したままの発電設備もある。個別計画の策定に向け、市は専門家を交えた検討会を設置し、計画の前提となる降雨量や、電気設備の浸水対策などを議論する。

補正予算案では一般会計に11億7800万円を増額する。県と連携し、大雨で被災した中小企業を対象に50万~1千万円の範囲で建物や設備の修繕費用を補助するほか、道路や河川の復旧を進める。

特別会計では、浸水被害を受けた池の川処理場の復旧工事を中心に、下水道事業に27億7千万円を計上した。30日の定例記者会見で、小川春樹市長は「インフラや公共施設はまだ応急復旧の段階。各計画に沿ってできるだけ早く本格復旧の軌道に乗せていきたい」と述べた。

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