秋サケの不漁が続き採卵が難航する中、岩手県内の沿岸ふ化場が今季も北海道頼みの状況になっている。県全体で約8600万粒の採卵計画に対し、30日までに自前で確保できたのは973万粒(前年同期比75.4%減)にとどまる。道からの供給は約4100万粒に上る見込みで、関係者は計画達成に向けて今後の河川遡上(そじょう)のピークに望みをつなぐ。
宮古漁協津軽石ふ化場に11月下旬、北海道の卵約280万粒が運び込まれ、漁協職員約10人が計量した後、丁寧に水槽に入れた。細越龍太郎場長(27)は「こちらでは採卵できないので、なんぼでも北海道から頂けるのは本当にありがたい」と感謝した。
県さけ・ます増殖協会によると、今季は11月23日までに約2700万粒が北海道から供給され、12月中旬までに残る約1350万粒が届く見通し。県内5地区の拠点ふ化場に配分する。