年末年始の旅行予約順調 5類移行で海外人気回復 需要増、県内も実感

旅行パンフレットの棚を整える代理店スタッフ=11月下旬、宇都宮市池上町

 年末年始(29日~1月3日)に向け、旅行予約が順調に伸びている。栃木県内の旅行代理店によると、新型コロナウイルス感染症の5類移行で海外への需要が戻り、定番のハワイなどが人気という。国内も変わらず注目されており、旅行者数はコロナ禍前に戻りつつある。県内でも既に満室になりつつある旅館やホテルがあり、関係者は旅行需要の回復を実感している。

 旅行大手のJTBによると、ハワイのほか、比較的安価な台湾、欧州への予約が増えている。国内は沖縄が好調で、人気のホテルは既に満室の所も。京都や、テーマパークを軸に計画している人も多い。

 宇都宮市池上町のJTB宇都宮店では9~10月ごろから、予約が増えたという。旅行者数はコロナ禍の前年同期を超えるとみている。人気の旅行先に加え、車で移動可能な関東近郊の温泉地を検討する人や、コロナ禍で控えた親子3世代など大人数の旅行を計画する人も目立っている。

 同店の稲葉零菜(いなばれいな)さん(26)は「ハワイや沖縄でのウエディングやハネムーンの問い合わせも増えてきた」と説明する。「気軽に旅行を楽しんでもらえるようしっかり対応したい」と話した。

 塩原温泉観光協会の君島将介(きみしままさゆき)会長(62)は、旅行客の戻りを実感している。秋の紅葉シーズンで満室となる宿が相次いだほか、年末年始の予約も続いているという。「今後は個人のインバウンド(訪日客)が増えてほしい」と期待を口にした。

 急激な物価高に苦しんでいる旅館もあると話す日光温泉旅館協同組合の赤澤正(あかざわただし)理事長(57)は「コロナ前に近い状況になってきた。このまま順調に予約が伸びてほしい」と願った。

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