ロッキーズ一筋の名打者ヘルトン 6度目の挑戦で殿堂入りなるか

2023年度のアメリカ野球殿堂入り投票では、名三塁手スコット・ローレンが唯一得票率75%の当選ラインをクリアして殿堂入りを果たしたが、11票不足で惜しくも殿堂入りを逃した候補者がいた。ロッキーズ一筋で17年間のメジャー生活を過ごした名打者トッド・ヘルトンだ。有資格1年目の2019年度(得票率16.5%)から毎年得票率を上げ、2023年度は72.2%で当選目前に。6度目のチャレンジとなる今回、ついに殿堂入りを果たすことが有力視されている。

現在50歳のヘルトンは17年間のメジャー生活で通算2247試合に出場し、2519安打、打率.316、369本塁打、1406打点、OPS.953を記録。四球(1335)が三振(1175)を大きく上回っており、通算出塁率は.414という素晴らしい数字になっている。打撃タイトルは2000年に獲得した首位打者と打点王だけで、同時期に他球団にも優れた一塁手がいたため、オールスター・ゲーム選出5度、シルバースラッガー賞4度、ゴールドグラブ賞3度と突出した実績は残せていないが、MLB公式サイトのコラムニストであるマイク・ルピカ氏は「ヘルトンをクーパーズタウンから締め出すものは何もない」と殿堂入りに相応しい選手であることを強調する。

ヘルトンにとって不利な材料となるのがキャリアを通して「打者天国」と呼ばれるクアーズ・フィールドを本拠地とするロッキーズでプレーしたことだ。実際、ヘルトンはキャリア通算でホームでは打率.345、OPS1.048を記録しているのに対し、ロードでは打率.287、OPS.855にとどまっている。しかし、ルピカ氏は「地理的な条件で差別するのはもう終わりにしよう」と主張。ヘルトンと同時期にロッキーズの主力打者として活躍したラリー・ウォーカーは殿堂入りを果たしており、その事実はヘルトンの殿堂入りを後押しするだろう。ヘルトンと同地区でプレーしたこともあるデーブ・ロバーツ(現ドジャース監督)は「地理的条件は不利な要素にはならない」との見解を示している。

ヘルトンがロッキーズ一筋のフランチャイズ・プレーヤーだったことも殿堂入り投票ではプラスの要素となるかもしれない。「彼がロッキーズのファンに与えたものを考えれば、殿堂入りすべきだ」とルピカ氏。ロッキーズ史上最高の選手はついに殿堂入りを果たすことになるのだろうか。

The post ロッキーズ一筋の名打者ヘルトン 6度目の挑戦で殿堂入りなるか first appeared on MLB.JP.

© MLB Advanced Media, LP.