剛腕ビリー・ワグナー 「今年こそ殿堂入りできると期待している」

歴代6位の通算422セーブという輝かしい実績を誇るビリー・ワグナーは、アメリカ野球殿堂入りの瞬間を待ち続けている。8度目のチャレンジとなった前回は、得票率を68.1%まで伸ばしたものの、当選ラインである75%には届かなかった。全米野球記者協会(BBWAA)の殿堂入り投票の対象となることができるのは最大10年間であり、ワグナーに残されたチャンスはあと2回。ワグナーは「今年こそ殿堂入りできると期待している」と自身の殿堂入りを信じ続けている。

現在52歳のワグナーはアストロズ、フィリーズ、メッツなどで絶対的守護神として活躍。現役最後のシーズンとなった2010年はブレーブスで7勝2敗37セーブ、防御率1.43という素晴らしい成績を残したが、家族と過ごす時間を優先するために、余力を残して16年間のメジャー生活にピリオドを打った。故障の影響で防御率6点台の大不振に陥った2000年を除けば、防御率3.00以上のシーズンは1度もなく、通算853試合に登板して47勝40敗422セーブ、防御率2.31、奪三振率11.92、WHIP1.00を記録。現役最終年も含め、オールスター・ゲームには7度選出された。

ワグナーは「今回選出されなければ、自分が記者投票で選出されることはないだろう」と考えているという。「自分にできることは全てやった。これで殿堂入りできないなら、通算成績が十分ではなかったということだろう。今年こそ殿堂入りできると期待している」とワグナー。「でも、殿堂入りできなかったとしても僕の人生は変わらないよ。これからも高校野球のコーチを続けるつもりだ」と話した。

ワグナーの輝かしいキャリアについて、1つだけ欠点を挙げるとすれば、ポストシーズンの舞台で活躍できなかったことだろう。アストロズで4度、メッツ、レッドソックス、ブレーブスで各1度、キャリア通算でポストシーズンに7度出場したが、14試合に登板して1勝1敗3セーブ、防御率10.03に終わっている。史上唯一となる満票での殿堂入りを果たしたマリアーノ・リベラがポストシーズンでも圧倒的な数字を残しているのとは対照的だ。

しかし、ワグナーは「マリアーノのように活躍できれば最高だったけれど、セーブ機会は3度とも成功させているんだ。僕の仕事はセーブを挙げることだからね。防御率は確かにひどいけれど、たった11回2/3しか投げていないんだよ」とプライドをのぞかせる。

果たして、BBWAAの投票者たちはワグナーのキャリアにどのような評価を与えるのか。殿堂入り投票は年内いっぱいで締め切られ、日本時間1月24日に投票結果が発表される予定となっている。

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