人物や風景 実物を超えるリアルさ ホキ美術館名品展II 岡山で開幕

風景や人物をリアルに描いた大作が並ぶ会場

 写実絵画を専門に扱うホキ美術館(千葉市)の優品を展観する特別展「ホキ美術館名品展II」(岡山シティミュージアム、テレビせとうち、山陽新聞社主催)が1日、岡山市北区駅元町の岡山シティミュージアムで開幕した。実物を超えるリアルさで人物や風景を緻密に描いた大作が、訪れたファンらを魅了している。

 同美術館は、実業家の故保木将夫氏が収集した作品を基に、2010年に開館。20年に同ミュージアムで催した「名品展」の第2弾で、約500点の所蔵品から、野田弘志さんら人気作家や中堅・若手作家計26人の62点を厳選した。

 三重野慶さんの人物画「僕が見ているあなたをあなたは見れない」は、血管を薄く透かした肌やつややかな髪の質感が丹念に描写され、まるで生きているかのよう。朝日に染まる富士山が厳かな羽田裕さんの「黎明(れいめい)富士」、青い海が空と溶け合うように広がる藤原秀一さんの「砂遊び」など、対象の姿に極限まで迫った作品が並ぶ。

 倉敷市の男性(67)は「写真を見ているかのよう。人物の絵は、肌の柔らかさや温かさまで伝わってきますね」と驚いていた。

 来年2月12日まで。月曜(祝日の場合は翌日)と年末年始(12月28日~1月4日)は休館。

開会式でテープカットする主催者ら

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