普段何気なく押しているエレベーターのボタン。今回は身近でありながら実はあまりよく知らない、そんな部品を作っている島田電機製作所の工場見学に行ってきました。日本一予約が取れないという当選確率1%の工場見学にGO! 話題の「1000のボタン」や親切すぎる工場見学など人気の秘密を探っていくと企業の意外な魅力が見えてきました。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774262903128111/origin_1.jpg)
当選確率1%の工場見学が話題の島田電機製作所って?
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774262902898883/origin_1.jpg)
八王子の浅川沿いに位置する「島田電機製作所」。壁に描かれたエレベーターの階数表示のような数字が目印です。駅からアクセスがよいとは言い難い場所にある島田電機製作所ですが、こちらで行われている工場見学はなんと当選確率1%! 日本一予約の取れない工場見学としても話題となっています。
島田電機製作所はエレベーターのボタンや到着灯などを製造する創業90年の意匠器具のメーカー。オーダーメイドのモノづくり企業として成長し続け、現在では国内シェア6割以上を誇ります。エレベーターメーカーを通じてスカイツリーや六本木ヒルズ、東京都庁などにも納入しているという島田電機製作所のエレベーターボタンや到着灯。もしかしたら気づかないうちにここで作られたボタンを押していたかも!
Let’s工場見学!
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774253520454381/origin_1.jpg)
工場見学は無料で1日3組まで。ひとつの時間帯に1組ずつの案内なので思う存分見学できます。建物の入り口に到着すると目に入ってきたのはモニターに映し出された筆者の名前! 歓迎されているみたいでうれしい〜。
事業活動をファンづくりとしている島田電機製作所の工場見学は社員の方がそれぞれにおもてなしの心を持って迎えてくれます。その気持ちを早速入り口で感じることができました。エレベーターのボタンがそのままお顔になったちょっとゆるい雰囲気のキャラクター、ボタンちゃんもお出迎え!
工場見学には「ボタン押しまくりコース」と「モノづくり見学コース」の2種類が用意されています。「ボタン押しまくりコース」はカフェでの説明、1000のボタン(長時間)、展示室、記念撮影が含まれます。「モノづくり見学コース」は1000のボタンの時間が少し短くなる代わりに工場でのモノづくりを見学することができます。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774297112036258/origin_1.jpg)
今回筆者が選んだのは「モノづくり見学コース」。まずは2階のカフェ&バーへ。時計やテーブル椅子など、あらゆるところにボタンちゃんが描かれているこの場所で、紙芝居による工場見学の説明を受けます。
カフェ&バーは社員さんの憩いの場ともなっていて仕事が終わったあと、ここでお酒を飲んだりするのだとか。お酒はすべて無料なのだそうです。
オープンすぎる会社を見学
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774300329296668/origin_1.jpg)
説明を受けたら早速工場見学へ。エレベーターがなかなか来ない、と思ったら……。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774303761973998/origin_1.jpg)
エレベーターだと思っていたのはなんとドア! ほかにもダミーのエレベーターが2台あるので工場見学へ行ったら探してみてくださいね。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774340864229903/origin_1.jpg)
中のオフィスでは実際にお仕事をしている様子が見学できます。オフィスの横には製品の最終段階の検品を行う工場も。入り口である営業と出口である組立や検査の現場が隣り合うことで連携も取りやすくなっているのだそうです。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774344452686461/origin_1.jpg)
社長室だって見学できちゃいます。代表取締役社長の島田正孝さんも気さくにお話ししてくださいました。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774349339131959/origin_1.jpg)
オフィスの一角にある発想スペース。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774378050847421/origin_1.jpg)
こちらは「アイデアが出ちゃうイス」。確かにトイレで考え事をする人って多いですよね。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774380926452666/origin_1.jpg)
カプセルの中には大喜利のお題が。遊び心のある社内は風通しがいい社風を表しています。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774389185758159/origin_1.jpg)
オフィスの見学が終わったらモノづくりの現場である1階に降りて行きます。エレベーターの部品を作る会社ですが、貨物用のエレベーターを壊し、あえて階段に。こうすることでサッと移動ができるのだそうです。
至近距離で見られるモノづくりの現場
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774416239034376/origin_1.jpg)
1階はアクリル加工エリアと板金加工エリアに分かれています。展示されている製品を実際に触れながら、こだわりの技術を体感することができます。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774416255927268/origin_1.jpg)
0.01mm単位での調整が必要な切断したアクリルを切削する作業や、切削した製品についた「マシン目」と言われる機械の跡を消すため手でやすりをかける様子など、職人さんがお話をしながら見せてくれます。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774426554483466/origin_1.jpg)
どんなに大きい製品や細かい製品も人の手で支え偏りのないよう磨いていくバフ研磨。職人魂を感じます。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774452855325400/origin_1.jpg)
左 研磨前/右 研磨後
できあがった製品を見ると一目瞭然! 部品として扱うのがもったいない美しいアクリル製品ができあがりました。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774462820630682/origin_1.jpg)
板金加工のエリアでは、大迫力の切断加工も危険の及ばない程度離れれば至近距離で見られます。70トンもの力がかかる機械を使って曲げ加工をしているところや、一つ一つ手作業でズレのないようにつけてゆく板金溶接など、普段なかなか見られない工場の様子も自由に見学OK。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774469021302996/origin_1.jpg)
表面仕上げでは、触ったときに怪我をしないよう少しのざらつきも見逃さず丁寧に磨いてツルツルに仕上げている様子も。アクリルに板金をはめ込む作業でも少しの引っ掛かりもできないよう細心の注意を払って高さを合わせていました。こういった職人さんの技が私たちの安全を守ってくれていることに改めて気づきます。
作業をしている社員さんは、みなさん丁寧に説明をしてくれるので、知りたいことは積極的に質問してみましょう!
メインイベント「1000のボタン」!
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774488419795140/origin_1.jpg)
島田電機製作所の工場見学の1番の見どころといえば「1000のボタン」。実際には1048個のボタンが組み込まれいるそうですが、ズラリとボタンが並んだ壁は見ているだけでワクワクしちゃう! どんなに押しても怒られないボタンは子どもはもちろん大人の遊び心も刺激します。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774499529261782/origin_1.jpg)
ここでは実際に使われているボタンはもちろん、一般の人やタレントさんの考えたボタンを再現したものが展示されています。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774505108226966/origin_1.jpg)
展示されているボタンは押すとライトが光ります。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774524900163900/origin_1.jpg)
閉ボタンは急いでいる人が連打するためか、一番劣化の早いボタンなのだとか。エレベーターで見かけたときは優しく押しましょう。もしどうしても連打したくなったら「1000のボタン」を押しにきてくださいね!
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774538708288004/origin_1.jpg)
階数表示のほかに動物のイラストと名前の入ったボタンは、数字の読めない小さい子ども向けのエレベーターボタン。動物で覚えれば階数を間違えることもありません。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774545381442230/origin_1.jpg)
こちらは一般の人が考えたボタン。マジックで書いた落書きのようにも見えますが、文字や記号の通りにアクリルを削り液体を流して作り上げたクオリティの高いボタン。島田の技術力なしでは完成し得ないボタンなのです。
おすすめボタンセレクション
ここからは人気のボタンや面白いボタンをセレクト。工場見学に行ったらぜひ探してみてください。
絶対に押したい「絶対に押すなボタン」
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774563123708904/origin_1.jpg)
ここにきたら絶対見つけて欲しいのが人気の「絶対に押すなボタン」。そんなこと言われたら押したくなっちゃう〜!
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774574980662038/origin_1.jpg)
逆バージョンの「絶対に押せ」バージョンも発見! ぜひ両方とも見つけてみてくださいね。
1人じゃ押せない「2個同時押しボタン」
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774581730640621/origin_1.jpg)
こちらはタレントさんが考えたという「2個同時押しボタン」。離れたところにあるもうひとつのボタンを同時に押さないと光りません。誰かと協力することで光らせることができるなんてなんだか素敵! このボタンは押すと音も鳴りますよ。
女性に人気「キラキラボタン」
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774601816474404/origin_1.jpg)
キラキラとしたカッティングが美しいボタンは女性に人気。ライトが光るとさらにデザインが引き立ちます。
おなが空いちゃう!「マヨネーズのボタン」
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774613381022302/origin_1.jpg)
こちらは一般の方が考えた本物そっくりのマヨネーズのボタン。ライトが光るともう中身の入ったマヨネーズにしか見えない…。
もう止まらない「NO!567」
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774626270774247/origin_1.jpg)
567の数字にこの階には止まらないことを表す斜線が入ったボタンは島田の社員さんが考えたもの。もう「567(コロナ)」には止まりません!
全部探して!「ボタンちゃんのボタン」
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774645643723088/origin_1.jpg)
ボタンちゃんのボタンは全部で16個。色々なデザインのものがあるので探してみてくださいね! ボタンちゃんのボタンは押すと光ると同時に音も鳴ります。
もう一つのお楽しみ!「ボタンガチャ」
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774657140342832/origin_1.jpg)
工場見学の際、筆者が楽しみにしていたのはカプセルトイ。島田電機製作所に行けば工場見学をしなくても遊べます。
今回まわしたのは1回1000円のカプセルトイ。お金を入れてハンドルを回すとエレベーターボタンがキーホルダーになったものが出てきます。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774664669135290/origin_1.jpg)
左から キーホルダー【▼】透明角/キーホルダー【開】乳白角/キーホルダー【開延長】透明角
3回まわして出てきたのはこちら! 【▼】ボタンは社内では厄除けとされているそう。【開】ボタンは運が開けるで縁起がいい!【開延長】ボタンは開けた運が続きますように。なんだかお守りみたいなキーホルダーです。
実際のボタンと同じ工程で作られたキーホルダーはアクリルと文字やマークに少しの引っ掛かりもない、クオリティの高いもの。工場見学を終えた後なのでボタンの精巧さに感動もひとしおです。こちらのキーホルダーはオンラインでも購入できるので工場に行くのが難しい人はぜひ公式サイトをチェックしてみてくださいね!
工場見学は抽選!
工場見学の申し込みは受付期間中に公式サイトの予約フォームに必要事項を記入して行います。抽選の結果、当選したらメールが届く仕組みです。
現在なかなか予約が取れないため、抽選に外れた人たちが遊びに来られる場を作りたいとの思いから島田電機製作所では会社の3階をボタンラボ(仮)にしようと計画中。有料とはなりますが島田電機製作所の魅力を感じられるスポットとなりそうです。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774693859394011/origin_1.jpg)
押し慣れていたエレベーターのボタンがなんだか愛おしく感じる島田電機製作所の工場見学。ぜひ「1000のボタン」を押しに行ってみてくださいね!
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1104774702374454220/origin_1.jpg)
株式会社 島田電機製作所
東京都八王子市大和田町3-11-1
042-656-1401
工場見学の申し込みはこちらから
https://www.shimada.cc/news_and_topics/9866
[All photos by Mayumi.W]