駅伝・駒澤大の大八木総監督 佐野の田沼RC60周年記念で講演 学生との向き合い方語る

学生との向き合い方などを語った大八木さん

 【佐野】2022年シーズンに駒澤大を「学生三大駅伝」で3冠達成に導き、今年3月に監督を勇退した同大陸上競技部の大八木弘明(おおやぎひろあき)総監督(65)による講演会が11月26日、戸奈良町の田沼中央公民館で開かれた。田沼ロータリークラブ創立60周年記念事業として開催。監督としての学生との向き合い方や学生時代のエピソードなどを語り、世界を見据えた名監督の言葉に多くの人が耳を傾けた。

 市内外から約400人が来場。「必ずできる、もっとできる」と題し、駒澤大OBで熊本県の鎮西高陸上競技部監督の楢木野亮二(ならきのりょうじ)さんらとの対談形式で実施された。

 大八木さんは、監督就任当初から現在に至るまでの指導を回顧。「食事や身の回りの整理整頓などの生活習慣の改善から始め、子どもたちが自分自身で考え、物事に挑戦できるような指導をした」と振り返り「それぞれの個性を生かす指導が大事」と力説した。

 家庭の事情から大学進学や陸上を続けることを諦めていたという高校時代、就職を指導し、働きながらでも陸上を続けるよう導いてくれた高校時代の恩師との出会いも語られた。「彼と出会っていなければ、当時喜多方ラーメンが大好きだったので、ラーメン屋になっていたかもしれない」と会場の笑いを誘う場面も。大八木さんの好きな食べ物などに関するクイズも出題され、正解者にサイン色紙などが手渡された。

 今シーズンも10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝を制している駒澤大。史上初の2年連続3冠に向けた年明けの箱根駅伝について大八木さんは「生徒たちは一生懸命練習に励んでいる。学生たちと連覇を成し遂げ、夢をかなえてあげたい」と話す。最後に「駒沢から世界へ。世界でも戦える選手をこれからも育てる」と力を込めた。

© 株式会社下野新聞社