初物「煌」200万円 最高級天然能登寒ぶり、認定始まる

200万円の値が付けられた今季第1号の能登寒ぶり「煌」=1日午前8時40分、金沢市のかなざわ総合市場

 石川県漁協が設ける「天然能登寒ぶり」の最高級ブランド「煌(きらめき)」の今シーズンの認定が1日始まった。能登町鵜川沖の定置網に入った重さ15.5キロ、長さ95センチの寒ブリが第1号に選ばれ、かなざわ総合市場(金沢市)で行われた初競りで、200万円の値が付いた。師走入りとともに、同市場には今季最多の1711本の寒ブリが水揚げされ、活気に沸いた。

  ●県内で最多1961本

 1日は重さ7キロ以上で姿、形が良い「天然能登寒ぶり」が七尾港などでも250本揚がった。県内で今季最多の計1961本の水揚げとなった。

 かなざわ総合市場では、各定置網が厳選したブリ1匹を出品し、価格を競う「鰤―1(ブリワン)グランプリ」が開かれ、11本がエントリーされた。大トリに行われた「煌」の競りでは、県内で食品スーパーを展開する「どんたく」(七尾市)の仲買人が200万円で落札すると、どよめきが起きた。どんたくは、煌の認定制度が始まった昨年、400万円で競り落としており、2年連続の獲得となった。

 競り落とした煌は野々市中央公園店(野々市市)で展示され、2日に同店とアスティ店(七尾市)で刺身として通常価格で販売される。山口宗大社長(40)は「地元の最高級品を地元の人に味わってほしかった」と表情をほころばせた。

 煌を取った、日の出大敷(能登町)の中田洋助代表(36)は「昨年は選ばれなかったのでうれしさはひとしお。幸先の良い船出になった」と喜んだ。

 煌の認定条件である重さ14キロを超えたブリは7本あったものの、認定は日の出大敷の1本となった。煌以外は2万5千~20万円で落札された。

 煌 能登の定置網で取れる「天然能登寒ぶり」のうち▽12月、1月に水揚げ▽重さ14キロ以上▽傷がなく胴回りが十分ある―など県漁協の基準を満たした魚体が認定される。初年度の22年度は8本が選ばれた。

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