“曲がらない男”稲森佑貴が感じる重圧 「前人未到80%」への道のり

ショットが曲がらない男が感じるプレッシャー(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 2日目(1日)◇東京よみうりCC(東京)◇7023yd(パー70)◇晴れ(観衆1704人)

昨年まで7季連続でフェアウェイキープ率1位に立つ稲森佑貴は、スタートホールのティイングエリアに立つと胃が痛くなる。「前人未到の80%まで、もう少し」。スタートアナウンスを聞いた後の、ボールを追うギャラリーの視線がちょっとだけプレッシャーだ。

シーズンを通して80%を超えた選手は一人もいない。前週「カシオワールドオープン」終了時のフェアウェイキープ率は79.302%で、2位に10%近く差をつけて今季も1位に立っている。今大会4日間を通して97%に近い数字を叩き出せば80%に届く可能性があったが、初日85.714%(フィールド2位)、2日目は71.429%(4位)と快挙達成は厳しくなった。

前年大会は初日に100%をマーク。「あれを4日間続けるのは、相当厳しい。きょうは突き抜けもありましたし、もう終わりました」と悔しさをにじませたが、最終戦でようやく肩の荷が少し降りた。

替えたパターが好調(撮影/中野義昌)

19位から出たこの日は、前日に振るわなかったグリーン上を改善するため、パターをチェンジ。以前、試合で使ったことがある「ホワイト・ホット VERSA TWELVE」のフィーリングが好調で、この日は7、8mのパーパットも決まってくれた。4バーディ、1ボギー「67」で回り、通算3アンダー9位で大会を折り返す。「上との差はありますけど、何が起きるか分からない。一打一打頑張りたい」と意気込んだ。

今季は“前人未到”の数字に届くことは難しそうだが、「日本一曲がらない男」の称号はほぼ手中にある。「(1位には)触れないでほしい」と苦笑したが、期待を込めたギャラリーの視線が週末も稲森のボールを追う。(東京都稲城市/谷口愛純)

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