舟券的中の確度を上げる「直近10走の枠番別勝率」の見方とは!?『究極のボートレースガイドブック』

これを覚えたら一人前!知っておきたい予想ファクター

スタート展示、周回展示、コース別成績、チルト……。ボートレースならではのこうした予想ファクターを押さえれば、これであなたもボートレース通。「チルトの魔術師」「前づけの鬼」「絶対王者」と称される名選手を覚えておけば、的中はもう目前!

コース別成績をチェックして予想のレベルを上げよう!

4章ではよりレベルの高い予想をして、よりボートレースを楽しむための方法を伝授していこうと思います。ここでは、各レーサーの簡単なクセの見方をお伝えします。3章で3コースの攻め方が現代ボートレースのカギと書きましたが、その3コースの攻め方の精度をどう見るか!?スマホやPCでボートレースのデータを見られるさまざまなサイトやアプリのサービスが提供されていますが、そういったもので私が見るのは「直近10走の枠番別勝率」です!!

細かく当地だけの10走成績を見られるものもありますが、まずは最近の10走を見て、3コースのときに勝てているのか? それとも2、3着が多いのかを見ます。ここにヒントは隠れています!!

ボートレースのヒント1

『舟が返ってくる/サイドがかかる』

レーサーがインタビューなどでよく「舟が返る、返ってくる」と表現することがあります。舟が返るとはターンしたときに舟が流れていかずに、鋭角なターンができているということです。同じ状態を「サイドのかかったターンができている」と表現することもあります。「サイドがかかる」とは、ターンするときにボートの右側の部分に水の抵抗をかけることで、スピードを落とさずスムーズにターンできているということです。レーサーの「舟が返って来る」というコメントは、思い切って握ってターンできるような感じだと受け取ってください。

3コースから1着が多いレーサーは基本的にまくり差し傾向が強いレーサーで、2・3着が多いレーサーはまくり(ツケマイ)が多いレーサーと考えられます。なぜか?まくり差しというのはリスクもあって、突き抜けられれば1着が取りやすいのですが、インコースと2コースの間を狙うわけですから、引き波にハマって大敗するリスクもあるのです。よく私がYouTube配信などで言うのは「まくり差しのバイン」。引き波にハマってボートがバインとなってスピードが落ちると3コースのまくり差しは失敗に終わるわけです。

一方で2、3着が多いレーサーの場合は「まくり」「ツケマイ」で内側のボートの外を攻めていく形で、キレイに決まればまくり一撃で1着!決まり切らなくても、しっかりボートが返ってくれば2着。誰かに差されても3着と大敗は避けられる。なので、過去10 走を見て「まくり差し」と「まくり」、どっちの戦法を取る確率が高そうなのかを判断しましょう。これがある程度わかるようになると、予想の組み立てもしやすくなるわけです。3コースで戦うレーサーの攻め方をイメージできるようになると、ボートレース予想の面白さは倍増しますよ!

この枠番勝率での予想の組み立ては、もちろん3コースだけでなく、全てのコースで活用できます!まずは3コースで走るであろう選手の3コース成績をチェックしたあとは、インコースで走る選手のインコース勝率をチェックしましょう。しっかりと逃げ切れているのか!? それとも逃げることができていないのか!?インコースで比較的2着が多いレーサーは、差されて負けている場合が多いと想像できます。2着でもなく、3着以下に負けていることが多いレーサーは、まくられて負けていることが多いと判断します。

ボートレースのヒント2

『インコースが勝つ確率、2・3コースが勝つ確率』

2022年上半期・2023年下半期のデータでは、1コースの1着率は最も高い徳山が63.5%で、最も低い江戸川が44.8%。2コースは、最も高い江戸川が19.6%で、最も低い芦屋が11%。3コースは最も高い戸田が15.3%で、最も低い徳山が8.8%と、1コースと2コースには成績に大きな開きがあるのに対し、2コースと3コースではそれほど大きな差は見られません。ちなみに大外6コースは、最も高い平和島でも3.5%で、最も低い福岡は0.6%と、1着狙いはかなり難しい状況です。

続いては2号艇の2コース成績もチェック。勝てていないまでも、しっかり2着が多いレーサーの場合は2コースを苦にしないと判断してOKです。逆に3着にも絡めていないケースが多い選手は、2コースを苦にしていると考えられます。一流選手でも2 コースだけ苦手という選手がけっこういたりするものです。4コースで2、3着が比較的多いレーサーは、3コースの攻めに乗って差しが多い選手と考えましょう。1着が多い選手は、ダッシュの4コースからまくって攻めるケースが多い選手と判断できます。

5コースは基本的に展開待ちですが、2・3着が多いレーサーはまくり差しが上手に入っていると判断しましょう。6コースで3着が多いレーサーは最内をしっかり差してくる選手。レースで3周走る中でしっかり追い上げてくる腕があるという見方もできます。このように直近の枠番別10走でそのレーサーの最近の攻め方などが見えてくるので、しっかり確認して各レーサーのクセをチェックしてください。サイトによっては期別のコース勝率も出ていますが、勝率は悪いのに最近10走の成績はそこまで悪くないとなると、今は調子が良くなってきたとか、モーターやプロペラの調整が上手く合ってきたと想像できます。

逆に勝率が良いのに、そのコースの直近10 走成績が悪いとなると調整が合っていないとも予想できます。まあ、ここまで見られるようになると、もはやプロレベルですな! しっかりコース別成績をチェックして、頭の中でレースをイメージして、自分なりにレースを作ってみてください!そこに答えが出てくるかもしれません!

ボートレースのヒント3

『展開待ち』

「展開待ち」とは、攻めてくれるレーサーの横のレーサーが言葉のとおり「自分にとって良い展開を待つ」ことです。基本的に外のコースのレーサーは展開待ちになることが多いもの。3コースが攻めていきその横4、5、6コースは3コースのレーサーがまくりにいってくれれば内側が空いてそこを狙う。もしくは攻めたけど抵抗されて空いたところを狙う。4コースのダッシュのカドが攻めてくれれば5、6コースのレーサーが展開を待つ。自力で攻めていけない場合がこの状態になります。

外から勝ったレーサーが「展開が良かったですね」というコメントをするときは、内側の艇が攻めて、その空いたところを上手く狙えたということになります。また、レース前のコメントで「展開待ちになるので」と発言しているときは「スタートは揃うから自力でまくるのは難しい」とイメージしてることが多いです。

【出典】『究極のボートレースガイドブック』著:西野精治

【書誌情報】
『究極のボートレースガイドブック』
著:西野精治

近年、コロナ禍の影響もあり公営ギャンブル市場は毎年のように売り上げを伸ばしています。スマートフォンの普及で手軽に参加できることもあり、今やバブル期の売り上げを上回る状況となっています。この公営競技の中でも最もファンや売り上げを伸ばしているのがボートレース(競艇)。公営ギャンブルと言えば中央競馬(JRA)を思い浮かべる人が多いはずです。たしかに昔から競馬ファンは多く、馬券の売り上げが全公営競技の中でダントツに大きかったのですが昨今は状況が変わりつつあります。ボートレースの人気は急上昇、舟券の売り上げは2兆4142億円(2022年度)と約3兆円の中央競馬に肩を並べるまでになっていて、新規のボートレースファンが増加していることを示しています。とはいえ、初心者にはどうやってボートレースを予想していいのかが分からないのも事実。最初は誕生日とか好きな番号、好きな色、カッコいい選手などの理由で舟券を買うのもありですが、ずっとそのレベルではボートレースを本当に楽しめているとは言えないでしょう。本書はその域を脱して「選手の実力」「有利なコース」「レース展開」「モーターやボートの性能の見極め」などを知ることによって、「自分でレースの予想、推理」ができるようになることを伝授する1冊です。著者の永島知洋氏は「ボートレース楽しむプロ」としてほぼ毎日のようにテレビ番組やYouTubeのレース配信番組でボートレースの面白さ、楽しみ方を身をもって示している人です。小難しいことは抜きに「興味はあるけど専門知識ゼロの人が、とりあえず舟券を予想できてレースを楽しめるようになる」をコンセプトに書き下ろした1冊です。

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