女性の更年期対策としての豆乳

女性の更年期とエストロゲン不足

女性の更年期とは、閉経をはさんで前後各5年ほど、合計約10年間のことをいいます。更年期には、ホットフラッシュと呼ばれる「のぼせ」「ほてり」「発汗」など、さまざまな不定愁訴が現れます。そのほか、「手足の冷え」「疲れやすい」「眠れない」「憂うつ」「イライラ」「頭痛」「動悸」「肩こり」「関節の痛み」「めまい」「耳鳴り」「記憶力の低下」「腟の乾燥・性交痛」など、さまざまな症状があります。症状の出方には個人差があり、ほとんど症状を感じない人もいれば、いくつもの症状に悩まされる人もいます。症状がひどく、日常生活に支障を来すような場合を「更年期障害」といいます。

更年期にさまざまな症状が現れる最大の原因は、女性ホルモンの減少とゆらぎで、特に更年期に大きく影響するのは、エストロゲンというホルモンです。エストロゲンの最大の役割は妊娠と出産です。ほかにも、「骨や血管を丈夫にする」「コレステロールを調節する」「記憶力や集中力を保つ」「肌や髪の潤い・ハリを保つ」「気持ちを明るくし、精神を安定させる」といった効果もあります。エストロゲンの分泌量は、思春期に入るとどんどん増え、妊娠・出産の適齢期とされる20~30代にピークを迎えます。40代半ばから50代半ばにかけて急激に減少し、60代以降はほとんど分泌されなくなります。

豆乳には、イソフラボンが豊富

イソフラボンとは、大豆胚芽に多く含まれるポリフェノールの一種で、エストロゲンと似た働きを持つことから、ファイトエストロゲンとも呼ばれます。ファイトエストロゲンは体内で弱めのエストロゲンのような働きをして、女性ホルモンのバランスを整えてくれます。本来イソフラボンは、豆類、穀類、野菜類などの中に少量ずつ存在含まれていますが、人が摂取する食材の中では大豆製品が最も濃厚なイソフラボン源であるため、大豆イソフラボンとも呼ばれます。豆乳には100g中、平均約24.8mgのイソフラボンが含まれており、手軽にイソフラボンを摂取することができます。

イソフラボンは通常、食品に含まれているときにはイソフラボン配糖体として存在していますが、摂取すると体内で腸内細菌の作用などによって糖の部分が分離して、イソフラボンアグリコンとなります。栄養素について記述されるイソフラボン(大豆イソフラボン)とは、基本的にイソフラボンアグリコンのことを指します。イソフラボンアグリコンは、分子構造が女性ホルモンの一種であるエストロゲンに似ており、第二次性徴の発現や、月経周期の調節などといった重要な働きをサポートします。

イソフラボンは、エストロゲン不足時にはエストロゲンとして機能しますが、エストロゲンが過剰な場合にはエストロゲンの働きを阻害し、エストロゲンを調整する機能があります。

豆乳を摂取することで、更年期の様々な症状を改善

更年期では女性ホルモンの減少により様々な症状が出てきますが、そんな症状を予防、改善するのにうってつけなのが大豆由来商品です。上記で説明したように、豆乳に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンの一つ、エストロゲンに似た働きをします。そのため、豆乳を摂取することで、女性ホルモンの乱れや減少が緩やかに改善し、更年期障害の諸症状を緩和する効果が期待できます。

また、女性は閉経後に女性ホルモンの分泌が著しく減少するため、生活習慣病になりやすい傾向がありますが、豆乳でイソフラボンを摂取することにより、肥満、動脈硬化、虚血性心疾患などの予防にもつながります。特にホルモンバランスが乱れやすい更年期の女性にとって、非常に強い味方と言えるでしょう。

豆乳を毎日飲もう

大豆食品の中でも、豆乳は手軽に健康をサポートしてくれ、特に女性にはダイエットや美肌など嬉しい効果がたくさんあります。大豆イソフラボンの1日の摂取の上限量は70〜75mgです。上限量を目安にすると、豆乳の適切な量は1日にコップ(200ml)1~2杯です。1日にコップ2杯以上の豆乳を飲むと上限量をオーバーしてしまい、女性ホルモンのバランスが乱れる可能性もあります。また、カロリーの摂り過ぎにもつながります。豆乳は、植物性たんぱく質の作用で消化・吸収に時間がかかり満腹感が持続するので、食前や間食、夜食として飲むのがおすすめです。

豆乳の種類や摂取量を守って、普段の食生活の中にバランス良く摂り入れることができれば、毎日飲んでも問題はありません。適量を毎日飲むことで健康の維持につながります。正しく豆乳を飲んで、健康な体をつくっていきましょう。

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