“役場に来ないで”と言われた町長 パワハラ・セクハラ問題 不信任案は否決 反対議員は「時期が早いんじゃないの」背景には対立も? 愛知・東郷町 井俣憲治町長

愛知県東郷町の井俣憲治町長が職員にパワハラ・セクハラをしていた問題、これがわかったのは、町職員が独自に行ったアンケートでした。

11月16日、町長がパワハラを認めて謝罪しました。ですが、11月27日月曜日、臨時議会で不信任決議案は、否決されました。パワハラ認めて謝罪したけれども、この決議案は否決。そして次の日、議長が町長に対して、町役場への登庁停止を要請しました。

そして12月1日、議会運営委員会で話し合ったところ、12月議会の冒頭挨拶のみ出席することを認めるということで、これを受けて、町長は冒頭挨拶のみで退席するという異例の事態になりました。

そして改めて、12月1日午後3時から議会運営委員会が開かれまして、今後、委員会や一般質問、こちらも出席しないことが決まったということなんですね。

Q.東郷町でいったい何が起きているんでしょうか?

そもそも、対立が背景にあるということなんですよね。月曜日の臨時議会で出されたのが不信任決議案なんですが、これは否決されました。否決されたんですが、賛成が10人、反対6人ですから、賛成が過半数です。

ただ、不信任決議案が出されたときの可決ラインというのが12人で、2人足りなかったのでこれは否決されました。

しかし、過半数にはなっている。ちなみに、東郷町の町会議員、町議会議員は全部で16人いるんですけども、大きな会派はありません。ほぼほぼ、個々人の判断だということになり、反対は6人だったんですよね。

この反対の人たちにはどんな理由があったのか、私取材しました。「時期が早いんじゃないの」って言ってる方がいたんですね。これは第三者委員会を設置して、調査を行って、正式な調査を行って白黒はっきりしてから黒であれば、改めて不信任決議案を出せばいいんじゃないのという方がいました。

そもそもこれ、自分の進退っていうのは議会で決めるもんじゃなくて、自分が決めるべきじゃないのという方もいたんですね。ここは賛否わかれたんです。

しかしながら、議会の総意があります。それ何かというと、パワハラ行為は許せないということなんですね。そんな中で今回、登庁停止の要請が出たんですけども、これは議会全体の総意というよりは、議長がどうやら独断で進めている節があって、これは議会内でも様々な意見があるようです。

ちょっとこれやりすぎじゃないか。そんな意見もあるようなんです。ここは、議会全体でしっかり話し合ってほしいですね。

そもそも登庁停止に関しては、町の職員の精神面を配慮して、この議長はこう要請したということではあるんですけれども、法的拘束力にも疑問がありますし、さらにやっぱり現職の町長が登庁しないのは非現実的ではないかと言っているのが、政治学が専門の愛知学院大学の森正教授です。

年度内の調整待ちの政治は機能停止になる可能性があります。来年度予算の審議が進まない恐れもあるとコメントしています。

第三者委員会を設置するにも時間がかかるし、そして住民投票となるとまたこれも時間がかかってしまう。

いろいろ時間がかかってしまうんですけども、町民の皆さんはこの事態をどう見ているんでしょうか? 町民から聞こえてくる中で最も多いのは「このゴタゴタが恥ずかしい」という声です。

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