「チームのために良い仕事ができれば…」、東京V再デビューの国立で2ゴールの染野唯月が清水との国立決戦で昇格導く一撃狙う

国立決戦で昇格導く一撃狙う染野唯月[写真:©超ワールドサッカー]

東京ヴェルディのFW染野唯月が、2023J1昇格プレーオフ決勝に向けて意気込みを語った。

今シーズンの明治安田生命J2リーグを2位のジュビロ磐田と同じ勝ち点75で終えたものの、得失点差で涙を呑んで3位フィニッシュとなった東京V。これにより、2018シーズン以来の参戦となったプレーオフ準決勝では6位のジェフユナイテッド千葉を2-1で下し、16年ぶりのJ1昇格へ王手をかけた。

そして、12月2日に国立競技場で行われる運命の決勝ではレギュラーシーズン4位で、プレーオフ準決勝でモンテディオ山形を退けた清水エスパルスとの対戦が決定した。

今年7月に鹿島アントラーズから2シーズン連続の育成型期限付き移籍での加入となった染野は、加入以降の公式戦全19試合に出場し、レギュラーシーズンではチームトップの6ゴールを記録。準決勝の千葉戦を含め、直近の公式戦5試合ではゴールから遠ざかっているものの、多才なストライカーは最前線から攻守両面において重要な働きを見せている。

今年7月に行われたFC町田ゼルビアとの“東京クラシック”でヴェルディ再デビューを飾った染野は、J2初開催となった国立の舞台で、0-2のビハインドを背負ったチームを敗戦から救う2ゴールを記録。そして、今季の最終戦では再びその国立を舞台にチームをJ1復帰へ導く重要な仕事を託された。

そういったなか、染野は普段通りにチームプレーを意識しながらも、良いイメージを持つナショナルスタジアムでの決定的な仕事を期す。

「国立には良いイメージはできていますし、清水のディフェンスラインも簡単に崩せる相手ではないですが、そこは自分のなかでうまく駆け引きしながら仕留められればと思います」

「自分のなかでいくつかのパターンを持っているので、臨機応変にいろんな得点パターンを出せれば…。そのなかでチャンスを作るプレーも増やしていければとも考えています」

「緊張はしますが、そのなかでも良い緊張感を持って試合に臨みたい。自分はそういう大一番で点を決めてきているので、自信を持っていいのかなとも思います」

「(自分のゴールでJ1昇格へ)それもありますし、チームのためにどれだけ犠牲になって戦うところが大事。自分がチームのために良い仕事ができればと思います」

タフな戦いを強いられた千葉戦での課題改善を含め、J2屈指のスカッドを誇る清水撃破に向けては「自分たちのリズム」でプレーすることが最も勝利の確率を高めるものになると考えている。

「(千葉戦の)前半は少し堅い試合になってしまったので、経験も少ない選手が多いという部分でそういった試合運びになってしまったので、次の試合でもそれをしないようにと全員が思っているところですが、やっぱり緊張とかはしてしまうので、みんなが良い緊張感でやれればと思います」

「清水は個々の能力としてJ1レベルの能力がありますし、そこで自分たちがどう戦っていくのかという部分も大事。2敗はしていますが良い試合はできていたと個人的には感じているので、勝つだけなのかなと思っています」

「自分たちは清水相手に前から行く守備をしながら自分たちのリズム、ボールを持ってリズムを作っていくところが大事になると言われています。そこは自分たちのサッカーを放棄せず、ボールを回して自分たちのリズムを作ることが大事だと言われていて自分自身もそう感じています」

また、千葉戦で1ゴール1アシストの殊勲の活躍をみせ、チームを決勝の舞台に導いたキャプテンのMF森田晃樹はこの大一番のキープレーヤーの一人だ。

東京V加入以降はピッチ内外で良い関係を築く染野は、「誰が見ても良い選手。プレーもそうですが戦う部分は誰が見ても良くなっていると思います。自身が一番課題だと感じていたと思いますが、1年近くで見てきて大きな成長を感じています」と、1歳上のMFの進化について説明している。

最後に、鹿島からのローンプレーヤーでありながらも2シーズン連続の途中加入でクラブへの愛着、責任感も強く芽生える若きストライカーは、改めてヴェルディでのJ1昇格への想いを語った。

「去年も自分はここにいて最後は6連勝してプレーオフには届かなかったので、そういったチームの想いを自分は知っている身なので、今年はしっかりとプレーオフに入ってJ1を狙う位置にいたので、自分を含めてJ1に上がる気持ちは強いです」

「自分は100%このチームのためにやるだけですし、そのためにここに来たので身体がどうこうではなくそこはやるだけです」

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