【チャンピオンズC/追い切り診断】セラフィックコールを上回る「S」の最高評価 「中京ダ1800m対策は万全」

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■レモンポップ

【中間調整】今年1月の根岸Sで重賞を初制覇。そこから中2週、1F延長のフェブラリーSでも正攻法から堂々と抜け出し、1馬身半差の快勝を収めてGIウイナーとなった。続く3月のドバイゴールデンシャヒーンは環境の違い、そして自身初の1200m戦でもあり力を出せず10着に終わったものの、立て直して臨んだ国内復帰戦の南部杯ではスピードの違いでハナに立つと、そのまま後続を寄せ付けることなく2秒差とまさに大圧勝でGI級競走2勝目を手中に収めた。

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その後はJBCスプリントやBCダートマイルへ進む可能性もあったが馬の痛みが少なく、同じダート1800mのサウジCなど今後の可能性を広げる意味でチャンピオンズCへ参戦することが決定。短期放牧を挟み、11月8日に坂路で15-15の初時計を出したのを皮切りに調整が進んでいる。2週前、1週前には長めのウッド7Fから時計を出す調整をこなし、スタミナ面、折り合い面の底上げに注力。いずれも先行馬を見ながらのもので、負荷はそれなりに掛かっていたはずだがラストは軽快に切れており、適応能力の高さをアピールした。

【最終追い切り】レース当週もウッドで併せ馬。古馬2勝クラスを追走し、序盤からある程度出していく意欲的な内容だったが、それでいて馬にはしっかり我慢を教え追走馬を安易に抜かないよう、ギリギリまでセーブする。手綱を緩めてもオーバーワークを避け、手応え優勢のまま相手に合わせる形で併入とした。

【見解】距離適性はマイルがドンピシャでコース形態もワンターンが理想。それを踏まえたうえでのチャレンジとあって、陣営は細心の注意を払ってここまでの調整をこなしている。馬のセンスが高く、理解力も相当なレベルのようで、攻めでは陣営が意図した通りにスタミナを温存するメリハリのある動きを披露。中京ダート1800m対策はまさに万全と言える。能力断然、健康状態は文句なし。絶好の気配で春秋JRAダートGI制圧へ臨めそう。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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