なるせゆうせい 作演出 舞台「明日、君を食べるよ」開幕 手を合わせて「いただきます」

舞台「明日、君を食べるよ」は、`14年初演には杉並演劇祭にて優秀賞を受賞し、`19年再演時には豊島区後援事業として、前豊島区長で豊島区名誉区民の故高野之夫さんにも推薦された。
そして4度目の上演となる今年は、文化庁子供鑑賞体験支援事業として「いただきます」の本当の意味を伝えるべく、命をいただくことの大切さの発信を目的とした子供たちへの本格的な芸術文化体験として、毎公演小学校低学年〜高校生を無料招待を実施した。
ミュージカル「ヘタリア」シリーズや、舞台「炎炎ノ消防隊」な ど人気マンガやアニメ原作の舞台化や、昨今では【社会問題×エンタメ】をテーマにした映画「君たちはまだ長いトンネルの中」、映画「縁の下のイミグレ」等の監督を務めるマルチプロデューサーであり人気脚本・演出家なるせゆうせいが手掛ける「食育」をテーマにした完全オリジナル舞台作品。

主な出演は、舞台「機動戦士ガンダム00 -破壊による覚醒-Re:(in)novation」や、舞台「リコリス・リコイル」等の多数の人気舞台作品に出演する本西彩希帆、そして、AKB48チームAの人気メンバーで舞台や 映画、ラジオ、昨今では全国の駅弁レポートのコラム等も手掛けマルチに活躍の岩立沙穂。更に男性演劇ユニット*pnish*のメンバーで、ミュージカル「青春-AOHARU-鉄道」シリーズや、「映画刀剣乱舞-黎明-」といった人気作に数多く出演するの森山栄治や、演劇集団キャラメルボックスに所属し「嵐になるまで待って」などの数々の舞台で主演を務める岡内美喜子ら。

”大人の事情”で母と田舎に引っ越ししてきた少年サナギ。母の再婚相手と一緒に住むことに。相手には連れ子が、名前はミゾレ、闊達な少女だ。学校へ行くと”転校生”の話で盛り上がっている。サナギはクラスメイトから早速質問攻め、父親の職業をパイロットと口から出まかせでそう言ってしまう。新しい父親は素朴で優しい男性、仕事場は屠殺場。サナギの父親は子供時代のことをサナギに言う。あるクラスメイトの父親がバキュームカーを運転していたと。みんなから「臭い、臭い」と言われていて自分も同じことをしていたと、それを後悔していた。だからサナギが自分の父親の職業を隠したがるのも無理からぬことと思っている。母親は真っ直ぐな性格、サナギに「『いただきます』は?」「帰ってきたら『ただいま』でしょ」と言う。

牛小屋があり、ミゾレに案内されるも、とにかく生きてる牛を見るのは初体験、まず「臭い」、コケたら手に牛のう◯こが。都会育ちのサナギにはキツい。牛小屋の掃除・牛の世話をすることになったサナギは最初は匂いとのべつまくなしにう◯こをする牛に閉口していたが(う◯こがポンポンと飛び出す!!)、次第に牛に愛着が湧いてきて「うしのすけ」と名付けて牛に心を開くようになり、病気になれば友のように心配する。だが、うしのすけは食用牛、いつか別れがくる。それを知ったサナギは…と言うのが大体の流れ。

『食育』がテーマだが、いじめ、ステップファミリー、現代的なテーマも内包。サナギの心の変化、「いただきます」の本当の意味を知る。彼の家族、血は繋がってない父と姉、真剣にサナギを想い、心配する。うしのすけがいよいよ食用に、ということをどう切り出すか頭を悩ませるところ、父、母、姉が”会議”をする。そんな心情も丁寧に描かれている。手を合わせて「いただきます」命をいただく。上演時間はおよそ90分、テンポよく展開。公演は12月3日まで。

2019年なるせゆうせいインタビュー

2019年レポ記事

あらすじ
都会っ子でへそまがりな少年サナギは、母親の再婚を機に田舎へ引っ越してくるが慣れない田舎暮らしに 閉塞感を感じていた。しばらくして再婚相手の連れ子のミゾレに連れられて1頭の牛の世話を始める。うしのすけと名付けられた牛の世話に、最初は嫌がっていたサナギだが徐々に心を開いていく。そのうしのすけはやがて食べられてしまう食育用の牛だとは知らずに・・・。 やがて、少年は「いただきます」の本当の意味を知る。
一人の少年と一頭の牛が織りなす命の物語。

概要
舞台『明日、君を食べるよ』 2023
脚本・演出:なるせゆうせい
日程・会場:2023年12月1日(金)~12月3日(日) 新宿村 LIVE
出演:本西彩希帆、岩立沙穂(AKB48)、遥りさ、上之薗理奈、渡辺優空、岡内美喜子(キャラメルボックス)、森山栄治、三浦克也、山口渓
企画:オフィス・インベーダー
主催:明日、君を食べるよ 2023 製作委員会

公式HP:https://fact8075.wixsite.com/ashitabe2023

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