「19×19」を5秒で暗算できる 年間ベストセラー1位に初の学習参考書 “パッと解ける”計算法が大ヒット コスパ重視の消費も影響?

12月1日、日本出版販売(日販)が2023年の年間ベストセラーを発表しました。

文庫やコミック、ゲーム攻略本などを除いた「総合ランキング」(日販調べ)で1位になったのは、51万部発行の『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』(小杉拓也著・ダイヤモンド社)でした。

日販によりますと、“学習参考書ジャンル”では初の総合1位で、圧倒的なわかりやすさと楽しさで、幅広い層に受け入れられたといいます。

2023年4月、CBCテレビ「チャント!」は、この『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』をもとに、学校で習わない“驚きの暗算法”を紹介しました。

年間ベストセラーにも「コスパを重視した消費」

11×16=? 17×13=? 19×19=? この暗算、5秒で出来ますか?

街でたずねると、15歳の受験生も「無理です、本当に」「見てあきらめるレベル」とお手上げでした。

そうした中、「19×19までの暗算が5秒でできる」という本が、2022年12月に発売されて話題となり、2023年4月初めの時点で、すでに27万5千部を突破していたのです。

5万部売れれば大ヒットと言われる出版の世界で、担当編集者もこの売れ行きに驚いていました。

日販によりますと、年間ベストセラー総合第1位が『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』になったことを受け、2023年のランキング全体として、「コスパを重視した消費」や「SNSを通じた購買行動」といった社会的な傾向が、書籍の購買にも表れる結果になった、と分析しています。

学習参考書ジャンルが初の総合1位となった快挙は、テレビで取り上げられたことをきっかけに人気に火が付き、子どもが楽しく「算数力を強化」できることはもちろん、大人にとっても「脳の体操」として、圧倒的なわかりやすさと楽しさが話題になり、幅広い層に受け入れられたとみています。

実際、2023年4月に放送したCBCテレビ「チャント!」でも、書店でこの本を手にしていた男性(60代・50代)が次のように話していました。

(60代男性)
「年のせいもあって計算に意外と時間がかかるけど、小学生ができるというのはすごいと思って(手に取った)。小学生ができるなら、負けずにやらないとダメかな。意外とやれば、すぐできるかな」

(50代男性)
「塾で小学生に算数を教えているので、すごく気になった。身につけたら、すごいと思います。一生使えるから」

発売は中学受験のシーズン直前の2022年12月。正月休みには老若男女が手に取ることとなり、異例のヒットにつながりました。

“異例のヒット”暗算法をもう一度 「16×12」「19×19」を5秒でできる

それでは、「16×12=192」「19×19=361」の暗算が5秒でできる!?暗算法を、もう一度振り返ってみましょう。

ポイントは計算しやすくするために、片方の数から数字をわたして、どちらかの数を「10」にすること。

「16×12=192」の場合

例えば16×12の場合。まず12から16に「2」をわたして「18×10=180」を計算します。

次に、16と12の一の位どうしをかけ合わせ、「6×2=12」を計算します。

こうして導かれた2つの数を足し合わせた「180+12=192」が16×12の答えとなるのです。

「19×19=361」の場合

では、19×19はどうなるでしょうか?

まず、片方の19から9を渡して「28×10=280」を計算。

次にそれぞれの一の位を掛け算して「9×9=81」。

最後に280と81を足しあわせて、「280+81=361」となるのです。

皆さんは、5秒で簡単に暗算できましたか?

© CBCテレビ