【感染症ニュース】第47週(11/20-26)インフル全国定点28.30大幅増 コロナ2.33微増 コロナ陽性65歳「味覚障害」経験談

流行地域は注意

厚生労働省が、2023年12月1日に発表した「インフルエンザの発生状況について」第47週(11/20-11/26) によると、全国のインフルエンザ定点当たり報告数は28.30。前週の21.66から、大きく増えました。また、同日に発表された第47週(11/20-11/26)の新型コロナウイルス感染症の定点報告数は、2.33。先週の1.95から下火ながら、微増しています。インフルエンザは大きく増加。新型コロナは、今後の動向が気がかりです。また、今回、大阪府の方から、初めて新型コロナに感染したとの経験談が寄せられています。

【2023年】12月に注意してほしい感染症!感染症の流行に適した季節に 専門医「インフルエンザ引き続き要注意 溶連菌感染症過去最高の恐れも…」 要注意は新型コロナウイルス感染症

新型コロナ経験談 65歳大阪府

コロナ経験談 65歳 大阪府
4回接種済み、最後は昨年の8月接種。
初めてのコロナ感染です。人混みではマスクをして注意していたにもかかわらず感染したので、驚きです。
11月17日朝起きて、喉の違和感あり。少し痛い程度、夜8時に寒気がするので体温計ると37.9℃。
体のだるさ腰や背中の痛みがあり熱もだんだん上がってきて最高38.7℃。眠れませんでした。
次の日病院に行きコロナとインフルの検査をしてコロナ陽性出ました。この日もずっと38℃台が続く。食事は摂れた。
3日目37℃台をうろうろ。味覚臭覚が感じない。黄色い痰が出る、ひたすら寝るのみ。
4日目36℃台になったが不安定。午前中は咳が湧いてくる感じ、痰は少し薄くなっている。
症状は軽い方かと思うが高齢なのでパルスオキシメータで計り肺炎には注意している。味覚臭覚はない。明日は実質4日目(発症日を0として)なのであと2日は自宅待機です。

感染症の専門医は…

感染症の専門医で、大阪府済生会中津病院の安井良則医師は「今の時期、一番気を付けなくてはいけないのは、インフルエンザだと考えています。一方で、下火になったとは言え、新型コロナウイルス感染症の入院患者さんは、まだいらっしゃいます。大阪府でも、減ってきてはいますが、どこで、患者報告数が上昇をみせてくるか、状況を注視しています。今回、寄せられた経験談ですが、直接、診断した訳では無いので、状況が分からない点もあります。味覚・嗅覚の障害は、新型コロナによるものの可能性が高いです。抗ウイルス薬は、処方されたのでしょうか?そして、マスクについてですが、人ごみでは、マスクをしていたとのことですが、マスクは、他人に感染させないためのもので、感染を防げる訳ではない点に注意してください。現在、周囲に感染させない目的で、マスクをしている方は少ないと考えられ、言い換えれば、どこで感染するか分からない状況になっています。また、パルスオキシメーターで、チェックしていたとのことですが、自身の呼吸状態も気にしておいてください。肺炎になった場合でも、血中酸素濃度は、すぐに下がるものではありません。新型コロナ陽性が判明したのちに、息苦しいなどの異変を感じたら、すぐに医療機関を受診してください。今回、経験をお寄せくださった方は、4回目の接種が、昨年の8月で1年以上経過しています。そして、純粋な興味なのですが、どうして5回目のワクチンを打たない決断をされたのか気になります。皆さんの理由などを知りたいです」としています。

インフルエンザ症状と対策

インフルエンザは、1~4日間の潜伏期間を経て、突然に発熱(38℃以上の高熱)、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛・関節痛などが出現し、鼻水・咳などの呼吸器症状がこれに続きます。通常は1週間前後の経過で軽快するが、いわゆる「かぜ」と比べて全身症状が強いのが特徴です。くしゃみ、咳、会話等で口から発する飛沫による飛沫感染が主な感染経路です。他に接触感染もあるといわれています。飛沫感染対策として、咳エチケット。接触感染対策としての手洗いの徹底が重要であると考えられますが、たとえインフルエンザウイルスに感染しても、全く無症状の不顕性感染例や臨床的にはインフルエンザとは診断し難い軽症例が存在します。これらのことから、特にヒト-ヒト間の距離が短く、濃厚な接触機会の多い学校、幼稚園、保育園等の小児の集団生活施設では、インフルエンザの集団発生をコントロールすることは、困難であると思われます。

新型コロナウイルス感染症とは

新型コロナウイルス感染症は、発熱・鼻水・のどの痛み・咳などといった、風邪のような症状から始まります。また、頭痛や強い倦怠感などが良く見られる症状です。下痢や味覚・嗅覚障害を伴うことも少なくはありません。感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに排出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接的に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内の近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不じゅうぶんであったり、混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています。最も重要な対策は、咳エチケットと手洗い・アルコール消毒など手指衛生を徹底することです。手洗いが大切な理由は、ドアノブや電車のつり革など様々なものに触れることにより、自分の手にもウイルスが付着している可能性があるからです。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前などこまめに手を洗いましょう。また、感染拡大を防ぐため、人と人との距離を保つことが重要です。

引用
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況等について」「インフルエンザの発生状況について」令和5年第47週、インフルエンザQ&A、新型コロナウイルスに関するQ&A

取材
大阪府済生会中津病院院長補佐感染管理室室長 安井良則氏

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